第七話 体育祭でマネーバトル
五月といえば体育祭?ということで楽しい楽しい体育祭の始まりです。
今日は朝から天気がすこぶる良かった。
まさに体育祭日和。
「・・・・・・というわけなのでみなさんベストを尽くして精一杯励んでください。」
「以上、生徒会長のお言葉でした。」
檀上からの挨拶を終え降りてきた菜穂子にとっては生徒会長として初の体育祭である。
「おつかれ、菜穂子。」
「おつかれってまだこれからなのよ。」
侑子は競技開始前から半袖・短パンにハチマキをして気合十分だ。
「侑子ちゃん今年は絶対優勝するんだって意気込んでたもんね。」
「なんてたって優勝賞品が半端なく豪華だからねぇ。」
学校行事はすべて生徒会によって運営されている。
体育祭も例外ではなく生徒会役員が何もかも決めている。
そして今年は会長を筆頭に例年以上に優秀な役員が集まったため
行事が華やかかつ豪勢なものとなったのだ。
「なんせ金一封だもんね。」
琴子はプログラムの上に堂々と書かれた優勝賞品という文字を指さした。
体育祭二週間前生徒会から発表された優勝賞品によりどこのクラスもより盛り上がっていた。
通常学校行事の賞品で金銭を扱うのは如何なものか問われそうなところだが
そこは藤ヶ峰高校生徒会、教諭方も手は出せない。
「なぁなぁ金一封っていったいいくら入ってるんだ?」
「それは勝者のみぞ知れることよ。」
金一封とは発表されたものの金額は一切明示されていないので
生徒たちはいくら貰えるか興味津々である。
「ってことは勝つしかないねぇ~、ねぇ侑子。」
千世子はポンと侑子の肩を叩き侑子はガッツポーズをした。
「もちのろん!目指せ二年三組優勝!!」
「侑子ちゃん頼もしい。」
道場の跡取りで全国大会を幾度も優勝している侑子は学校でも飛び抜けた運動神経の持ち主で
体育祭などこういった場合中心として動くのはクラスの主力要員である彼女なのだ。
「よし!!みんな集まって!円陣組むよ!!」
どこのクラスもそれぞれ円陣を組み優勝に向けて意欲が高まっているといった感じだ。
二年三組も四十名全員が揃いいざ行かんという勢いだ。
「二年三組ーーー!!!絶対勝つ!狙うは優勝ただひとつ!!」
「「「「おーっっ!!!!!」」」」
侑子の掛け声に合わせ皆の心も一つにまとまった。
いよいよ競技開始だ。