第一話 F4
なんか書いていくうちにとりあえず一通り人物を紹介していくだけになった気がする・・・。次の話へと橋渡しがあんなんでいいのか。
藤ヶ峰高等学校 二年三組
教室は朝からにぎやかだった。
朝は常に余裕をもって学校に登校してくる菜穂子は
一時間目の授業の用意をしていた。
「ぐっもーにんっ!!」
元気よく教室の扉をくぐり抜けてきたのは侑子。
腰まで届く長く真っ直ぐな黒髪をひとつに結っている。
切れ長な目、くっきり整った眉といった顔立ちに長身のナイスバディ。
「おはよう。今日も朝稽古?」
侑子は菜穂子の左隣の席に腰を下ろす。
「そう!やっぱり朝から体動かすと心が落ち着くからな。」
彼女の家は歴史ある剣道道場を営んでおり、幼い頃から剣道を習っている。
「ちょこは?まだ来てない?」
侑子が尋ねたその時、また扉が開いた。
「ぐーてんもるげん。」
と金髪の美少女登場、というか千世子。愛称『ちょこ』
「何でドイツ語・・・。」
と軽くツッコミを入れる菜穂子。
色素の薄いサラサラヘアーをなびかせ、
眠いのか長いまつ毛を伏せ琥珀色の瞳に影を落としている。
「ちょこ。今日はどこにいたんだ?」
「今日はねぇ~、廃ビルだった。」
あはは、と笑う千世子。
「相変わらずね。ちょこは。」
何も知らないで聞くと不思議な会話だが
千世子には寝てる間に徘徊してしまう癖がある。
それも重度な徘徊癖で家の外へ出てしまい
気づくと知らない場所に辿りついてるのだ。
しかし当の本人は全く意に介さない様子なので
彼女らどころか家族でさえも心配しない。
キーーンコーーン カーーンコーーン
そうこうしている間に予鈴が鳴る。
数十秒後、
ダダダダダダダッと廊下に響く足音。
ガラガラッッ
勢いよく扉が開いて最後の生徒が入ってくる。
「おはよう!!今日はぎりぎり、ギリギリじゃなかったよ!」
いつもは本鈴とともに教室に入ってくる彼女は嬉しそうに言った。
「琴子。予鈴が鳴った後だから遅刻ギリギリに変わりはないんじゃないかしら。」
ツーサイドアップにまとめた黒髪がパタパタと揺れている。
くりっとしたつぶらで大きな瞳。
髪と同じ漆黒の瞳に見つめられると誰もが吸い寄せられてしまう。
それとは対照的に肌は真珠のように真っ白くまるで日本人形である。
なのだが・・・・・
ズタッ!!
琴子は一歩足を踏み出した途端、何もないところですっ転んだ。
「いったぁーい・・・」
中身は天然ドジッ子。
「もう、琴子ったら。」
菜穂子はクスリと笑う。
そんな四人に侑子の前の席の背の低い少女が声をかけてきた。
「やっとF4のお揃いね。」
彼女の名前は五辻 涼子といい、このクラスの学級委員長を務めている。
くるくる巻いた髪をサイドでひとつに束ねていて、
愛らしい容姿なのだがあまりにも負けん気が強いため近づいてくる男はいない。
涼子が言っていたF4というのは菜穂子ら四人の総称である。
この四人は名物高校生で、ここら一帯では名前を知らないものはいない程有名人なのだ。
約一年前、彼女たちの入学には衝撃が走ったという。
F4の由来は藤ヶ峰高校の『F』とFLOWER=花で
花盛りの少女という意味で名づけられたのであり決して某有名漫画のパクリではない。
また彼女らにはその由来からそれぞれ別称がつけられ
侑子は『牡丹の君』 千世子は『白百合の君』 琴子は『芍薬の君』 菜穂子は『藤の君』
そんな彼女たちのことを今はまだ知らない。
これから四人のほのぼのはちゃめちゃ高校生活が明かされていくことになるだろう・・・
恥ずかしや、、、