黒い獣の呻き
短いですが、読んでもらえると嬉しいです。
星がキレイで、雲一つない夜空。
そんな中、路地裏で2人の男が、何かをやっている。
カチャッ
暗がりで、鈍く光る黒い獣。
「まっ、待て!落ち着けって。まずそれをおろせ。」
おろす?そんなこと、僕にはできない。
男が焦った口調で、僕に言う。
「なっなぜ君は、こんなことをやっているんだ?」
なぜ?そんなこと、僕に聞かれても困る。
僕が足を一歩前に出すと、男がもっと焦りだした。
「たっ・・・楽しいか、こっ・・・こんなことをやって!」
『楽しい』などという感情、僕に必要ない。
僕は黒い獣を、男のおでこに押し当てた。
「おっ・・・お願いだ。お願いだから、殺さないでくれ!頼む!」
殺す?僕はお前を、殺しなどしない。僕は・・・
任された任務を果たすまでだ。
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路地裏に、黒い獣の呻きが響いた。
鉄の錆びたような匂い。赤い液体が、あちらこちらに飛び散っている。
それを見て僕は、こう呟いた。
「完了・・・。」
そして僕は、黒く微笑んでみせた。
前回(前々回)の物は、恋愛系でしたが、今回は何か違う物にしてみました。