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天使の残像  作者: 河野 る宇
◆第4章~意味の無い事
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*戦闘開始

<例の部屋に来たぞ。侵入するのか?>

「だめだ。その部屋には入るな」

 ベリルの指示にそこにいた仲間が怪訝な表情を浮かべる。

「相手がシーフという事を忘れるな。そこにメロールはいるか?」

<解ってるわ。調べてから入る>

「ブービートラップが設置されている可能性がある。こちらの動きがもっと速く察知されていれば、あちこちにトラップがあっただろうがね」

 いぶかしげなライカたちを一瞥し説明を加えた。

 今回は相手が相手なだけに、いつもより慎重かつ迅速に行う必要がある。そのため、先発隊には“リリパット”のメロールとアルフレッドを2チームのリーダーとして編成したのだ。


「いよいよ、来ましたね」

 ロッシュの仲間がぼそりと彼につぶやく。

「ああ……」

 だが、勝てるのか? 相手はシーフだ、傭兵に太刀打ち出来るのか疑問だ。

 その時──部屋の灯りが突然点灯した。

「う……っ!?」

 その光に一瞬、目を奪われる。

「無事なようだな」

「?」

 聞き覚えのある声……ロッシュはまぶしさから解放されて声の主に目をやった。

「!?」

 その人物に目を丸くする。目の前にはベリルが1人、ハンドガンを手に笑いかけていた。ロッシュは一瞬、安堵の表情を見せたがすぐに険しい目を向ける。

「俺の無様な姿を笑いに来たのか……?」

「! ロッシュ?」

 仲間は彼の言葉に戸惑う。この2人の間に何があったのは解らないが仲違いをしている事だけは窺えた。

「まあ、そう言うな」

 そんなベリルの背後から銃を構える音──ベリルは持っていたハンドガンを捨て両手を肩まで挙げて振り返る。

 アンデルセンがライフルを向けていた。

「死なない死人……」

「色んな名前が付いてるな、私は」

 ベリルは目を据わらせて薄笑いを返す。

「……」

 アンデルセンはいぶかしげにベリルを見つめた。

 こいつの雰囲気は掴めない。何を考えているのか解らない……ベリルを前にして初めて背筋から冷たいものが流れた。

 あれだけいたこいつの仲間はどこにいった? 30人はいたはずなのに……何故こいつは今、1人なんだ?

「不思議そうだな。お前が1人でここにいるという事に、私もおかしな感覚なのだがね」

「!」

 それにロッシュはハッとした。そうだ……アンデルセンの仲間はどうした?

「他の仲間に、私の仲間を攻撃させるように指示したのだろう。彼らの動きを我々が察知するのは難しい」

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