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*プロローグ
そんなこんなでセシエルの忘れ形見である2人を弟子として引き取るハメになったベリル。
溜息交じりにライカとダグラスを見つめる彼だが、セシエルの面影が2人から垣間見えて目を細めた。
絆は途切れることなく受け継がれ、それは大きく広がっていくのかもしれない。輝く笑顔は今でもベリルの脳裏に鮮明な映像として残っている。
強く何かを感じた相手だが……まさかこんな事にまでなろうとは考えも及ばなかった自分に溜息を吐き出す。
「お前に何の仕返しも出来ないのはさすがに悔しいものだ」
空を仰いでつぶやいた。