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天使の残像  作者: 河野 る宇
◆第4章
23/45

*戦闘準備

「あの……」

「なんだ」

「どうしてキャシーさんが?」

 彼女はハンターなのに……

「ああ、彼女は傭兵としての仕事も受けているのだよ」

 そう言ったベリルの肩にポンと手が置かれる。振り返って眉間にしわを寄せた。

「やっぱり同じ依頼受けてたな」

 泉が笑ってさらにベリルの体に触ろうと近づく。

「いちいち触れるな」

 リストの中にあった彼の名前をベリルは脳内で消去していたのだ。

「弟子にする気になったのか?」

「だとしてもこの作戦に加える気は無い」

「当然だな」

「どうしてですか」

 2人の会話に少年はムッとする。

「聞いてなかったのか? かなり厄介なシロモノなんだよ」

「父さんはどの作戦にも必ず参加しろって言いました」

「子供を谷に突き落とす獅子よりもそりゃ厳しい言葉だな」

 泉はベリルに視線を移すと彼は同意するように肩をすくめた。

「そう言うんだ、参加させればいい」

「……」

 泉の言葉にベリルは眉をひそめる。

「死んでもお前に責任を負わせない。そういう意味だろ」

「責任より死なせる事の方が問題だ」

「確かにな。だったら死なせなきゃいい」

 お前なら大丈夫さ。泉は言ってベリルの頬にキスをして去っていく。

「言ってくれる」

 ベリルは呆れたように溜息を漏らした。そして少年に目を移す。

「死んでも恨んでくれるなよ」

「死んでみないと解りません」

 ダグラスはニヤリと笑って言った。


 それからベリルと少年はトマック、マイヤー、モリスと共に巨大武器工場の近くまで訪れる。

「この規模だと軽く見積もっても200人はいると思うが、どうだ」

 入手した見取り図と照らし合わせながら話し合った。

「おおよそ私の予想と合っている」

 トマックの言葉にベリルは同意するように発する。

「200対50かよ……とんでもねぇな」

 溜息混じりにマイヤーがつぶやいた。

「この一週間で作戦を練ってみよう。仲間の犠牲がゼロという訳にはいきそうもないが……」

「頼むぜ。俺たちは引き続き監視を続ける」

「逐一、報告してくれ」

 ベリルとダグラスは3人と別れて車に乗り込んだ。

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