*軽い復讐
数日後──準備を済ませて出かけるベリルの車を見送り、家の中でブー垂れる。
「チェ……」
舌打ちしてソファに寝転がった。
「!」
そんな時、ライカの携帯が着信を知らせる。
「はい……あ、ハミルか。どうしたんだ?」
何度か会った事のある相手にライカは顔をほころばせた。
「え? 手紙? 俺からの紹介で?」
しばらく聞いたあと電話を切ってニヤリと気持ちの悪い笑みを浮かべた。
「うくく……ざまあみろってんだ」
ライカはそう言って2階の自分の部屋に行き手紙を書き始める。
俺を置いてった恨みだ受け取れ! とニヤけながらしたためて封をした。すぐにポストに向かい投函する。
これで断れないぞ、俺以外のお荷物を背負いやがれ。
「お荷物……」
自分で思った事に半笑いになった。
「俺もお荷物だっていま自分で言ったようなもんじゃねぇか……」
ライカは1人ソファの背に手を突いてうなだれる。
「とにかく!」
振り払うように頭を振って拳を握りしめ、キッ! とやや上を見上げて発する。
「少しは苦労すりゃいいんだ! これでまた1人お荷物が増えたぜこのやろう」
そこでハタと気がつく。
「あれ……?」
そうすると俺と2人になる訳で……俺に専念してくれなくなるのか?
「なんか墓穴掘った感じ?」