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第七章第八話
みやびが電話に出た。若い私は、噂の真相をみやびに聞いた。そして・・・
「あのさ、噂を聞いたんだけど、みやびのクラスの杉下とみやびが付き合っているって聞いたんだけど。本当?」私はおそるおそる聞いた。「そうよ。本当よ。」みやびはあっさりと肯定した。「そうか。はっきりわかって良かったよ。」私はしどろもどろになりながら、涙が溢れるのを堪えて、電話を切った。ひどすぎる結末だった。経験した過去でもフラれて、別の世界でもフラれた。ダメージは大きかった。
二度も同じ女にフラれたダメージは大きかった。私はこの世界への執着心が急速に薄れていくことを感じた。しかし、もう一度、懐かしいあの母校へ行きたくなった。月曜なので、若い私は、落ち込みながらも、学校へ行った。私は、自分の部屋の壁の前に立った。母校へ行きたいと願った。再びどこでもドアが壁に表れた。