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第七章第七話
長い呼び出し音の末に、みやびの家族の誰かが電話に出た。
長い呼び出し音の末に、みやびの家族の誰かが出た。「もしもし。」みやびらしい声だった。「もしもし、俺だけど、たびたびごめん。」「・・・」無言の応答だ。「もしもし、みやびかな?少し話していいかな?」「お姉ちゃんは今、いません。」みやびの一つ下の妹だった。携帯電話がなかった時代の電話はスリル満点だった。私は、またかけると言って、すぐに電話を切った。有りがちな失敗だった。 手痛い失敗電話にも、懲りずに、私は最初の電話から、約三時間後にもう一度みやびの家へ電話した。夜になるまえに電話しないとみやびの両親が出る怖れがあったからだ。まあ、日曜の昼間だから、親がいる可能性は平日よりは高いのだが。私は親が電話に出ない可能性にかけた。
今度は一度の呼び出しで、誰かが電話に出た。「もしもし。僕・・」「あたしだけど」私が名乗る前に、みやびが応えた。「何の話?」氷のような冷ややかな声だった。