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第七章第五話
この世界に残るのか、もといた世界に戻るのかを決める時が近づいていた。
この世界に残るか、元の世界に戻る方法を必死に探すべきか決める前に、私はどうしても、みやびへの気持ちにけりをつけたかった。ここがはっきりしないと、前へ進めなかった。あの衝撃的な河原での一件から、もう3ヶ月が過ぎた。みやびへの想いは募るばかりだった。 冬休みも終わり、短い三学期に入った。高校一年の時もあと少しになった。二年からは、進路を理系か文系かでクラスが別れる為に、私立文系一本やりの私は、理系に進む、俊ちゃんや太一郎とは別のクラスになる。少しずつ寂しさが増してきた。そんな時、あの話が風の噂で聞こえてきた。