41/63
第五章第五話
私は時のはざまに落ちて、帰る方法を知っている人間に合うために、あのデパートの前に行くことにした。
いつもの土曜の夜がやって来た。若い私達のグループは、俊ちゃんの家に帰っていった。また、どうしようもない夜を過ごすのだろう。私は街のメインストリートにあるマクドナルドの前にいた。マックの前には、行き場のない少女達や、そんな女の子達をナンパしようとする男達がたむろしていた。私はそこにしばらくいたが、街の時計が夜10時になるころ、私はあのデパートへ向かった。 あのデパートと呼んでいた、西○百貨店の前に来た。ポンと肩を叩かれた。昼間会った彼女だった。「やっぱり来ちゃった。」「来ると思ってたよ。」私は彼女と肩を並べて、デパートのシャッターが降りた入口付近で待った。30分ほど立ち話をしながら待ったが、誰も来なかった。「今日は来ないか。」私は帰ろうとその場を立ち去りかけた時、「来たわ。」彼女が小さな声をあげた。