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第三章第九話
みやびの家には昼間電話することに決めた。
みやびの家には昼間電話した。夜に電話すると家の人が出る可能性が高かったからだ。若い私は祈る思いでダイヤルを回し続けた。また私は不思議な感覚にとらわれて、目の前の若い私と同化しはじめた。
何度めかの呼び出し音の末、「もしもし。」みやびらしき若い女の子の声がした。「あっ、私、」「あたしだけど」私の声をさえぎってみわびが応えた。私のドキドキ感が強まっていった。 胸の高鳴りは苦しくなるくらい強まっていった。「忙しいのにゴメンね。何度も。」「別に忙しくないよ。」クールに返されてしまった。
「あのさ、もう一度会って話したいんだ。」「会ってどうするの?」「あのときのこと、中学のあのときのことについて話したいんだ。」かすかにみやびの小さな溜め息が聞こえた。「今さら会っても仕方ないよ。」みやびは冷たく言った。