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第三章第一話
高校一年の夏休みに突入したが、何もなく、若い私は怠惰な日々を過ごしていた。
高校一年の夏休みが始まった。毎日、良い天気が続いたが、何も変化のない日々が続いた。ある日、怠惰な生活にピリオドを打つべく、若い私はある行動にでた。中学の時の名簿を探しだし、みやびの家に電話しようとしたのだ。しかし、昔からあまり深く考えずに行動した私も、さすがにすぐには決断できずに、電話の前で、ウロウロしていた。 だがやがて決心してダイヤルを回し始めた。若い私は、一大決心をしたのか、深呼吸をしたり、指にコードを何回も絡ませて受話器を耳にあて、呼び出し音を鳴らし続けた。携帯電話と違い、家の電話は出るまでに時間がかかった。 三分くらい呼び出し続けたがため息をつきながら、受話器を置いた。頭を抱えて落ち込んでいる若い私のところに、電話がけたたましい音を鳴り響かせた。仲の良い友達の俊ちゃんらしい。「おう、いいよ。」どうやらこちらに来るようだ。私の記憶によれば、あの印象深い夜が始まるはずだ。