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第二章第四話
私の記憶に間違いなければ、若い私は同じクラスの女子バスケット部の子に・・・
私の記憶が間違っていなければ、若い私は同じクラスの女子バスケット部の子に、やはり同じクラスの野球部のMと恥ずかしい電話をするはずだった。
Mは高校一年のはじめごろ仲が良かった。いいやつなのだが、少し熱すぎるやつだった。こいつがやがて野球部のキャプテンになるのだが、それが野球部が弱かった一因だったかどうかはわからない。
少しウトウトしていたら、階段を上がってくる足音が聞こえてきた。若い私が
学校から帰ってきたようだ。着替えを早々に終わらせた若い私は、どこかに電話をかけ始めた。
当時は当然携帯電話などなかったが、私の家には一階と二階に電話があり、恵まれていた。どうやらMと話しているらしい。「うん。じゃあ、明日の帰りにおまえの家に寄るわ。」そういって電話を切った。明日か、何とか阻止しなければ。私は策を練り始めた。