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第二章第三話
高校三年間、彼女が出来なかった、若い私の愚行を止めるために、私はもう一度どこでもドアを使った。
私はしばし考え込んだ。どうしたらみやびとやり直せるだろうか。なかなか良い考えが浮かばなかった。とりあえず、私が彼女がほしくて、少し良いなと思った同じクラスの女の子に電話をかけまくった愚行をとめなければ、それから次の策を考えよう。
若気の至りをとめるためには、若い自分よりも、先に家に居る必要があった。もう一度別館のトイレに入った。そして家に戻れと願った。手を合わせて願いながらドアを開いた。すると・・・
そこは、高校時代の私の部屋だった。狙い通りの展開に私はガッツポーズをした。透明人間だけど。