行方不明の梅虎天
《登場人物紹介》
【蓮ちゃん】 プロローグ編の主人公、この物語の 作者。
訳あってあらゆる時代を行き来している天女。
秘密多きピンク色のツインテールの少女。
旧知の友『鶴姫天』を助けに行く為、悪戦苦闘中。
【てやんでぇ】蓮ちゃんに無理やりに連れていかれ
た現在(平華絢爛314年)の天上界に住んでいるカエル。
人間の言葉が話せる「江戸っ子カエル」
【鶴姫天】 蓮花とは、天上界創世以来の旧知の友の天女。
【ねね】 天空の5兄弟の母親。ミアキスの獣天女。夫は、梅虎天。
【梅虎天】 大虎が獣天人になってからの姿。
天上界最強の『妙魂十二天』の一人。
天上界では、多方面に影響を与える重要人物。
ねねの夫であり、天空の5兄弟の父親。
「え、えーーー！あの梅虎天が、行方不明！」
頭が真っ白になったうちは、この時代(平華絢爛314年)に来て以来、一番の声を上げてしまったんよ·····。
その取り乱し方が、梅虎天と言う存在の偉大さを語る。
そりゃそうだよ～ 梅虎天って言うたら、この天上界で最強と呼ばれている『妙魂十二天』の一人だし！
梅虎天の子供達も、現役で大活躍の天人、天女ばかりやし·····。
有望な弟子達を排出している一派の長だし·····
彼が今の天上界に与えている影響力は、多大過ぎるんよ！
ただ、彼は『無明の大禍』の時に·····
そ、そんな彼が行方不明だなんて·····これはほんまやばいわね！
レンの額に、一粒の汗が流れ落ちる。
何かいい方法は、無いかと模索していたうちは、ある事に気付いてん！
「あっ、そやそや！ この時代の『天上界在籍名簿』を見たら何か解るかも！」
そう言い放ち、レンは、慌てふためきながら『名簿』のページをめくる。
暫くして、勢い良くページを捲り上げていたレンの手が、ピタッと止まった。
まるで、急ブレーキをかけた自動車の様に！
カタカタカタカタカタ！？？
その急ブレーキをかけたレンの可愛いらしい小さな手が、小刻みに震え出したのだ。
驚愕し一瞬で、凍りついてしまったレンの表情は、血の気が徐々に引き始め出し、青ざめていく。
「な、な、な、無い·····梅虎天の名がどこにも·····」
その事実が確認された瞬間！
レンの体重を支えていた足腰が、その役目を放棄しだし、不抜けになったレンは、膝から崩れ落ちたのだった·····。
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