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江戸っ子カエル『てやんでぇ』登場 (平華絢爛314年)


《登場人物紹介》


【蓮ちゃん】 プロローグ編の主人公、この物語の 作者。

訳あってあらゆる時代を行き来している天女。

秘密多きピンク色のツインテールの少女。

旧知の友『鶴姫天』を助けに行く為、悪戦苦闘中。


【てやんでぇ】蓮ちゃんに無理やりに連れていかれ

た現在(平華絢爛314年)の天上界に住んでいるカエル。

人間の言葉が話せる「江戸っ子カエル」


【鶴姫天】 蓮花とは、天上界創世以来の旧知の友の天女。




「ん...ここは???」

気を失っていたレンが目を覚ました。


だが、今、何時代に到着したかは知らないレンであった。

そんな彼女が、タイムスリップしてきた霊獣に問う。

「時を駆ける霊獣よ! 現在の時を我に教え給え!」

その問に、忠実に答える霊獣。


時は【平華絢爛314年】なり!!!


「えっ!今、なんて言うたの? 平華絢爛ってなんだろう····· 聞いたことがない時代やわ·····」

霊獣が答えたその名は、初めて聞くものだったわ。

しかし、勘のいいうちは、即座にその状況を理解した。


「あっちゃ~、そっか! 緊急事態だったからね。行きたい時代を霊獣に伝えずに乗り込んじゃったから·····きっと! それが原因で、うちは、聞いたこともない時代へとやって来てしまったんやね」


ふと、周りを見渡したうちは、その見慣れた風景に、安堵し、顔にかかった桃色の髪をふと、かきあげた。


ここって!

故郷の『天上界』やね♪

あ~この時代にも、天上界が存在してて、良かったわぁ~♪ほんま!

さっきまで張り詰めていた緊張が少し、ほぐれた瞬間だった。

「ふぅ~~~」


辺り一面、ふわふわの綿菓子みたいな真っ白な雲に覆われたその天上界は、霊峰『福慈岳(ふくじだけ)』の頂上に位置する世界だった。


福慈岳とは、この世界の真ん中にドォーンと、立ちそびえている雲の上まで突き抜けて天まで繋がっている霊峰。

そして、その福慈岳の裾からは、多数の渦潮と岩石で形成されている大海原が広がっていて、そこを船で渡ろうとするならば、『命は無いものと思え』と、人間界では言い伝えられている程だ!

そして、この荒々しい大海原を超えた先にある大きな島には人間達が住んでいる。

そう、その名は、『クレーシャ』!!!


当然、その『クレーシャ』からは、絶対に天上界にはたどり着けない。

選ばれた人間や動物達しか招かざれない世界だった。


そして、そのクレーシャの真下に、地中奥深くマグマが煮えたぎっている場所には、亡者達が苦しむ無数の『地獄』が広がっているらしい⋯⋯。

まだ、誰もその地獄ってのは見た事なかったのだった。


と、レンは、自分の知っている天上界と、今、目の前に広がっている光景が、脳裏で一致する事で、徐々に持ち前の明るさを取り戻していったのだった。


(いつまでも悲しんでいたら、あかんよね!せっかく、鶴が助けてくれたこの命! 無駄にはできんのよ。絶対に助けに行くからね。それまで待っててね!鶴)


とレンは、右手の拳を硬く握ったのだった。

「さてと! もう落ち込む時間は、おしまい、おしまい♪いつまでも気分が急降下中なら、上手くいく事も行かなくなるんよ!」


転生の明るさを奮い立たせたレンは、ふわふわの弾力のある雲の上を、希望に満ちた顔つきで歩きだしたのだった。


すると!レンは前方を指差す。


「あっ! 前方になんかおるよ~♪」

早速、レンは、何かを見つけたようだ!


プーーカ、プーーカ? ゜ ◌ ゜


それは、天上界の雲の上に存在するお池に、プカプカ呑気に浮いている一匹の緑のカエルだった。


その池は、皆が思い浮かべるあの「池」とは少し異なり、寺社などで見かける「手水鉢」の様な形をしており、両手を左右に広げた位の大きさであり、もふもふの綿菓子雲でその形を形成していた。

そして、その池には、「ししおどし」を流れて天上界で清められた清水が常に注がれているはずなのだが⋯⋯。


長い間、掃除が全くされていなかったのか?


お池には、溢れんばかりの苔や藻が、ぎっしり生え乱れ、器の雲さえも、本来の白さを失っており、まるで雨雲のように濁っていた。


これではせっかくの、悪気を清めてくれる「天界水」なんだろうけど、全てが台無しね。


この池の見た目は、申し訳ないが⋯⋯ このままでは、まるで『アオサの味噌汁』みたいよ!


アオサの味噌汁の上でぷかぷか浮いてくつろいでいるカエルが一匹そこにはいた。


そんな光景を目の当たりにしたレンは、


(うっ⋯⋯なんなんよ。この光景わ⋯⋯そ、掃除くらいしろよ⋯⋯)


と、少し呆れ顔をしていた。


それはさて置き、そのカエルの名は、【てやんでぇ】

しかも人間の言葉を話せたのだ。


そんなカエルを見たレンの第一印象は、

(なんだか、あの湿った感? ムニョムニョ感が、ちょ、ちょっとキモイわね)

と、あまりいい印象を持たなかったが、 好奇心旺盛のレンは、その突如現れたカエルの事が凄く心に引っかかり、勇気を出して声をかけてみる。


「は~い♪ はじめましてやね!元気ぃ~? うちは『蓮花』! さてさて君のお名前は?」

レンが気さくに話しかけた。


「おぉー、あんた天女か? 見かけない顔だな。ちなみにおいらは『てやんでぇ』って言うんだ!よろしくな」

不思議そうな顔でレンを見つめるカエル。


さてさて、初めて挨拶を交わした両者の反応はいかに?


( この子、話しかけてみると意外と可愛いかったりして♡ てへっ)

と、うちはてやんでぇにウインクしたよ♪


(悪い天女ではなさそうだケロ!)


と、以外にも、お互い好印象であった。


カエルの方は、そんなレンの姿を見て、不思議そうな顔で頭を傾げていた。

(うっ、この子、ウインクの意味わかっとらんね⋯⋯まっいいか!)


うちはすかさずフォローを入れる。


「いいんやでぇ~ カエルは気にせいへんでも!」

「ケロ?」


ニコニコ笑顔のレンだったが、何かに気付いたようだ。

ん?

てやんでぇが持っているその本って!


その本には、【世界の終焉を救ったのは、犬ですか?猫ですか?】と書いてあったんよ。


???

あっ、それ⋯⋯うちが書いた小説やん⋯⋯。

それにしても、ちょっと作品名のネーミング失敗してしもうたかも⋯⋯グスン


今になって少し後悔しているレンだった⋯⋯


「てやんでぇ? 持っているその本は、なぁに?」

うちは、その本の事を知らないふりをして尋ねてみたんよ。


そしたら、

「あっ これか? これはオイラが今から読もうと思っている本。蓮ちゃんも一緒に読むか?」

と、自信満々で誘ってきたカエル。


「えっ!いきなりの『ちゃん』付け呼び?」

(しかも、初対面の人に一緒に読むかって!しかも二人で一冊の本を読むって事は⋯⋯!?つまり、ベッタリひっついて来るんとちゃうの! ーそ、それはちょっと嫌かも⋯⋯)


絶対拒否したいレンは、傷つけない返事を模索しだした。


「あっ ごめんね、うちはええわ~♪ ちょっと今から用事があるから⋯⋯⋯ありがとう!また今度ね」

と、うちは上手いことカエルを誤魔化してその場をあとにした。


う~ん! まずはこの時代の情報収集やね!

果たしてここは、『無明の大禍』より、過去なの? 未来なの?と模索中のうちやった。


でもこの時代(平華絢爛314年)には、「(わざわい)」の気配は感じられないわ⋯⋯。

ホッとしたうちは、ある本を取り出したのだった。


「じゃあじゃあ~ん♪ この本は、うち専用の『時代別 天上界在籍名簿』! この名簿を見たら、この時代の全ての天人、天女が解るって代物ね♪さてさて見ようかしら♪」


うちはその名簿をペラペラとめくり始めたんよ!

そしたら、知らない初めて見る名前もあったけど、よく知っている面子や懐かしい面子も結構居て、一安心やったわ♪


と、うちが何やらブツブツ独り言を言うてると? 大気圏まで届きそうにそびえ立つある立派な真っ白な宮殿から、可愛らしい鳴き声が聞こえてきてん。

「きゅっきゅ~」

「ニャッニャ~」

なんの鳴き声なんかな?


あぁぁぁーっ! これは、仔犬と仔猫の鳴き声とちゃうん♪

はぁはぁはぁー

犬猫が大好きなうちは、大興奮のまま、その宮殿に入って行ったのだった。




この度、プロローグ編のリライトに伴い、

「世界を救ったのは、犬ですか?猫ですか?」シリーズ

第一弾作品 プロローグ編

『うちは天上系関西弁ライター『蓮ちゃん♡』


第二弾作品

『潜入せよ!平華絢爛京 くのいち天女「楓」の恋愛忍法帖~ この天女‼️超うぶにつき要注意⚠️』


を、区別化を図る為、分ける事と致しました。

m(_ _)m

ご迷惑をお掛け致しまして、申し訳ございませんが、どうぞ、ご愛読よろしくお願いいたします。



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― 新着の感想 ―
蓮ちゃん!? 素晴らしい天女様ではありませんか!?w 期待期待(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク
分かりやすい表現とテンポ感のある作品ですね フリガナも丁寧にされていて 素晴らしいです!
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