詩 人の形が変わる前に
――朝が来なければいいと思う夜がある
――朝が来てしまったのだと思う朝がある
命が削られていく ぎりぎりの戦場
人間は あっけなく死んでいく だからいくら死んでも構わない?
そんな結論になる前に ここから逃れるすべを探さなくては
このままでは ただ人の形を成しているだけになってしまうわ
死神が私に微笑んでいる 押し付け合うようなことはしたくないけれど
死の機会がここでは平等に訪れるのだとしたら
誰かに押し付けても構わないのではないでしょうか
人が人でなくなる瞬間を見て
いつまで正気でいられるか分からない
慰めのように 大丈夫 と口にしても
それが本当になるとは信じられなくなってくる
いつかこの場所から逃れるすべはあるのでしょうか
(どんなに願っていも かなわないものがあると知っている)
(ならばせめて夢の中では ただ優しいだけの世界に浸っていたい)
(こんな残酷な世界で生きている事を 束の間でもいいから忘れたい)