第六話! インド人再び!
住職さんに負けた俺達は、住職さんの言葉を聞いて、コンパスの指す方向に歩いた!
そのコンパスは、北を指さず、東を指していた!
俺がリキを背負い、半日走ったところで、コンパスは逆を指した。
リキを降ろして、俺達はコンパスを見ながらしばらく歩いた。
辺りはもう暗くなっている。
しかし、コンパスの指す方向が突然光った。
「なんだ!? スピードソードより明るいぞ!?」
「あれは……………………なんだ?」
そこには、ムキムキののハゲたインド人がいた!
「インド人!?」
「……!? いや待て、スピードスター。インド人というのは誰だ?」
「インド人といえばそりゃあまあ、インドに住む人のことだろう」
と、そこで、俺たちの会話が聞こえたのか、インド人がこちらを向いた。
「貴様ラハ住職ノヤロウノ手先カ」
よく見ると腕が四本あり、額に三つ目の眼があり、肌が紫色で、輝いていた。
インド人じゃないのかもしれない!
「我ヲ封ジントスル者ドモヨ。地獄ヘ堕チル覚悟ハデキタカ」
インド人じゃなさそうだ!
「カレートナンノ国ヘヨウコソ」
……インド人かもしれない!
「クラエッ!」
インド人はそう叫ぶと、スピードスターに槍を投げた。
「ッ! スピードソード!」
それを反射速度のみで下から上に弾いたスピードスターは、目の前の光景を疑った。
弾いたはずの槍が、そこにはあった。
「下がれ! スピードスター!」
とっさにリキは、スピードスターの前に出てその槍を巨大化した右手で掴んだ。
しかし、掴んだはずの槍は、またリキの目の前に発生する。
「うおおおおおおお!」
槍が自分の顔面に突き刺さる直前、その槍を、今度は巨大化した左手で掴む。
しかしそれでも、槍はまた、リキの目の前にあった。
「ぐっ!」
スピードスターを巻き込みながら、リキは後ろに吹き飛んだ。
スピードスターは吹き飛んだ衝撃で地面に倒れ、理解した。
四本腕があるのだから、そりゃあ槍も四本投げるだろう! と。
「リキ! 大丈夫か!」
リキのおかげで槍の直撃を避けられたスピードスターは立ち上がり、周囲を見る。
リキはスピードスターより後方、砂埃の中にいた。
「……ああ、僕は大丈夫だ」
砂埃が晴れ、そこには。
二本の槍を掴んだ腕で、顔を覆うようにしたリキと、その左腕を貫通した一本の槍があった。
「リキ!?」
「腕を巨大化させておいてよかった。腕が太くなければ死んでいた」
「本当に大丈夫なのか!?」
「僕の腕の太くした部分は細くなったときに消える。なにも問題はない」
「よしわかった! そこで休んでろ、リキ!」
スピードスターは再び正面のインド人を見た。
まったくなんて卑怯なやつなんだ!
「我ノ必殺ノ一撃ヲヨク耐エタナ」
「貴様! 四撃あっただろうが!」
「ナンノコトヤラ」
口笛を吹いたとぼけ顔に腹が立った。
「フンッ!」
突然、インド人は跳びあがり、右上腕を構えた。
何をする気だ!?
いや、何をするにしても、奴は必ずその腕一本で戦わないはずッ!
「サモサッ!」
「遅いぞ! スピードソードォ!」
インド人が振り下ろした右上腕を、スピードソードが弾く。
そしてスピードスターは、二撃目を読んでスピードソードを再び振り下ろす。
「チャパティ!」
「スピードソード!」
三撃目。
「ビリヤニッ!」
「スピードソード!」
四撃目。
「ラッシー!」
「スピードソード!」
と、スピードスターは四本の腕全てを防ぎきった。
「よし!」
「駄目だ! スピードスター!」
「サモサッ!」
振り下ろされたインド人の右腕を、リキが右腕で弾き、リキは後方へ吹き飛ばされた。
「ッ!?」
混乱するスピードスターに、インド人の左腕が振り上げられる。
「チャパティ!」
「くっ! スピードソード!」
それをぎりぎりで弾くスピードスター。
「ビリヤニッ!」
「っ!」
「ラッシー!」
「グッ!」
「サモサッ!」
「チャパティ!」
「ビリヤニッ!」
「ラッシー!」
「サモサッ!」
「チャパティ!」
「ビリヤニッ!」
「ラッシー!」
「サモサッ!」
「チャパティ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! スピードソードオオオ!」
ループする攻撃の隙に割り込むように、スピードソードが四本の腕を狙う。
「腕は四本もいらんだろうっ! その腕全部、貴様から解放してやる!」
そして、もう一度叫んだ!
「スピードソード!」
その剣は、神速に近い一撃で四本の腕を斬り下ろした。
インド人は後方に跳ぶ。
「ナラバ我ガ奥義!」
そう叫んだインド人の、額の眼が光を放つ!
それはだんだんと輝きを増し、そして――
インド人の右目からビームが出た。
「マサラ・ドーサ!」
スピードスターは理解した。
一撃を防げば二撃目が、二撃目を防げば三撃目が、三撃目を防げば一撃目があることを。
だからこそ。
「スピードソードォ!」
一撃目を、二撃目を、三撃目を、一太刀で落とした。
「おおおおおおおおおお!」
その一太刀は、インド人も同時に両断した。
「スピードスター、ナマステ」
そしてインド人は、消滅した。
そして、その瞬間。
スピードスターの首が血飛沫をあげて飛んだ。




