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第一話! 俺の前回の話をしよう!

 君たちには俺の前回の冒険を話しておこう!

 あれは日本の美術館に行った時の話だ……。




 美術館って結構デカいんだな……。おっと、紹介が遅れたな。俺の名は、超! スピードスター!

 この世で一番速い男だ。俺は前から美術館に興味があったわけではなく、たまたま近くに美術館があるという話を聞いてやってきていた。

 早速入ろう、とおもい入口まで行くとよぼよぼのハゲたインド人が立っていた。こいつは仲間にしよう!


「やあインド人! 美術館は初めてかい?」

「ああ、私は今までインドにいたからね。日本の美術館には初めて来たよ」

「君もか! 実は俺も初めてなんだ!」

「……そうかい。私に何か用が?」

「いやなに、これも何かの縁だ。一緒に美術館を見て回ろう」

「まあそうだな」

「よし! おれについてこい!」


 おれはインド人をなかまにした! 俺は知らなかった……。このインド人がこの先あんなことになるなんて……。

 さあ、美術館を見て回ろう! 俺たちは美術館に入った。



「思ってたよりも美しい物が多いな」

「ええ、日本の文化がとてもよく感じられます」

「おい、見てみろインド人」


 俺は周りのものとは何か違う雰囲気を放つ、何かを指差した。説明には日本刀と書かれている。


「これは! 日本刀だ!」

「そのようですね。不思議な何かを感じます」

「素晴らしいな!」


 俺たちはしばらく美術館の展示品を見て回った。美術館には日本刀以外にも、よくわからない絵や陶器、彫刻、武具などが飾っていたが、俺にはよく分からなかった。俺は芸術に興味がないのだ!

 一通り見たので、俺たちは帰ろうとしていた。


「よし! 俺はもう帰るよ!」

「では私ももう帰ろう」


 二人は仲良く美術館を後にして、歩いていた。

 すると突然、目の前の木の陰から刀を持ち振り回す不審者が現れた!


「何者だ?」と俺が聞くと不審者は、インド人に向かって刀を振り下ろした。


「イテェ!」


 インド人の腕を刃がかすり、そこから血が出ている。


「大丈夫か! インド人!」

「かなり痛いが、私は大丈夫だ!」

「クソ、どうやら話は通じなそうだ! だが、隙だらけだぜ!」

「スピードパーンチッ!」


 俺はかなりのスピードを出した、拳を奴の顎に叩きつけた。

 バタッ、と奴は地面に倒れた。


「こいつ自身はかなり弱いが、なんだ、この恐怖は!」

「奴の手から落ちた刀を見てみな。あれは私たちが美術館で一度見たものだ」

「本当だ! インド人、あれを少し触ってみろよ」

「分かった」


 インド人が刀に触れた、そのときだった。

「うおおおおおおおお!」


 インド人が突然叫びだし、刀を振り回しだした。


「インド人ンンンンン!!」


 クソ、インド人が乗っ取られてしまった! あの日本刀が原因か!

 とにかくやるしかないッ!


「スピードパンチッ!」


 手加減などしていない、全力の一撃だった。確かに手ごたえはあったのだが、インド人は倒れない。


「うおおおおおお!」


 インド人は刀を振り下ろした。


「ぐわあああ!」


 俺の腕が切られ、血が噴き出す。

 今の俺ではどうしようもない。インド人を助けるため、仲間を呼ぶしか!

 俺は振り返って走り出した。大丈夫、俺の速さならインド人を助けられる。




 しばらく走ったところで何かが後ろから追いかけてきている音が聞こえた。


「インド人かッ!? 速すぎるぞ!?」


 俺が走りながら後ろを振り向くと、ハゲ頭が見えた! この速度はおかしいぜ!

 俺は再び前をみて、走り出した。すると後ろの音はさらに近づいてくる。


「何かお困りですか」


 突然声をかけられ、驚いた俺は減速して振り返る。


「誰だ貴様は!」


 振り返ってみた瞬間には、後ろの人間は立ち止まっていた。


「私はただの神社の住職ですよ。それよりどうしたのですか」

「住職さんか。実はインド人が刀に呪われてしまったんだ」


 少し間を開けて、住職さんは話し始める。

 では、こちらを持っていきなさい、といって住職は、スピードスターに御札のようなものを渡す。


「なんだこれは!」

「これを刀につけるのです。そうすればお友達は解放されるでしょう」

「そうか、ありがとう!」


 俺は来た道を、最速で走り抜ける。




「インド人! 大丈夫か!」

「うおおおおお」

 向こうに刀を振り回すインド人が見える。今助けてやるからな!

 俺は御札を手に付け、拳を突き出す。

「スピードパンチッッ!」



 インド人は刀を落とし、息を整える。


「ありがとう……君のおかげで助かったよ……」

「ああ、もちろんさ! 俺たちは仲間だろ?」


 俺がそういって笑うと、インド人も笑い出す。

 後ろから、足音が聞こえてくる。


「気になって着いてきましたが、それは……どうやら付喪神となった日本刀のようですね……」

「そうか、住職さん……」

「一度私の神社に来てください」

「分かった、その前に……」


 俺は倒れている男から少し血が出ていたので、手当てをしてやった。血がもっと出だした気がするが、気のせいだろう。




 俺たちは神社に行って手当てを受けた。


「住職さん、刀はどうなった」

「刀が周りに与える影響を小さくしておきましたよ」

「そうか……そいつは何て名前なんだ?」

「どうやら名前はないようですが……」

「ならいまから、そいつの名前は『スピードソード』だ!」


 俺がそういって刀を受け取ろうとすると、住職さんが消えて、俺の腰にスピードソードがしまわれていた。


「まだまだですね」

「まさか住職さんが!? 嘘だろ!? この俺が速すぎて見えなかった……」


 住職さんが俺たちの前に現れることはなかった。だがどこからか、大事にしなさいよ、という声が聞こえる。




 しばらくたって、俺はインド人から久しぶりにかかってきた電話に出た。

 電話の向こうからは苦しそうに「今まで、ありが、とう……」と聞こえた。

 気づけば俺は走り出していた。インド人から居場所を聞き出し、家につくと、インド人は苦しそうに息をしていた。

 よく見ると、全身に傷を負っている。


「大丈夫か! インド人! 今助けてやるからな!」


 すぐに俺は手当てをしたのだが、悲しいことにインド人の傷はどんどんひどくなっていく。


 インド人はもう、旅ができないみたいだ。なぜかインド人たちが俺を恨んでいるみたいだが、そんなことはどうでもいい。

 ありがとう。偉大なるインド人。俺はお前のことを忘れない。




 旅に出ることにするよ。世界の人々を救うため、スピードを極めるために。


「俺の名は、超! スピードスター!」

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