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悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?  作者: ぽんぽこ狸


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倫理観……。1




 今日の朝もサディアスはサンドイッチを持って私の部屋に来た。顔色はスッキリしていて、やはり少し恥ずかしそうだった。

 参っていたのなら、素直になってくれればいいのにと思ったが彼にもプライドがあるのだろう。


 そう考えつつ、サディアスと朝食を終えて、教室に向かう。チェルシーとシンシアは既に来ていて、チェルシーの髪は私が教えたとおりにハーフアップにされていて、黄色のリボンをつけていた。


 今日からやっとポジション別クラスに参加できるのである。これが私は意外と楽しみだったのだが、ヴィンスやサディアス、信用の出来る人物と別行動になってしまうため不安でもあった。


 ブレンダ先生にポジション分けのプリントを提出しに皆で職員室まで移動し、軽く説明を聞く。


「やっとですね、チームクレア。私から言うことは特にありません、ポジション別クラスのそれぞれの練習場所、教室がこちらに載っていますので間違えず、出席すること」

「はーい」


 口々に返事をして、プリントを一枚ずつもらい内容を確認する。


「魔法査定は役職クラスの担当教諭が行うのでそれぞれしっかりと教師の言うことを聞くこと」


 ……魔法査定?分からない言葉だったが、とりあえずブレンダ先生が話をしているのでそれに耳を傾ける。


「それから何より、喧嘩をしないこと!良いですね?ここは学園、入学式でも学園長が言っていたでしょう、お互い競い合い高め合う場所だと、いがみ合ったり罵り合うことはあってはなりません!」


 ブレンダ先生は私達を一人ずつ見て、それから私をピッと指さす。


「特にクレア・カトラス!リーダークラスには主張の強い生徒が多いですから、くれぐれも!喧嘩は避けること!良いですね!」

「はーい」


 返事をすればブレンダ先生は「はいっ、行ってよろしい!」と扉を指さすので私達はそうそうに退散した。


 教室へと戻る道のりで、チェルシーは頬に手を添えてどうしましょうかというポーズをとり、サディアスはまたため息をつき、シンシアはなんとも言えない表情で私を見た。


「どうかした?皆?浮かない顔だね」

「どうもこうも、君がリーダークラスになると言うことを考えると今から頭が痛い」

「それぞれのチームのリーダーがいるのですっ!つまり、ララや王太子殿下、コーディ様!今年はアウガス、メルキシスタ両国の権力者が多く入学していてクレアが何がしないかとても心配なんです!」

「その通りですね、クレア、お嬢様言葉で怒鳴るのはしばらくおやすみにしませんか?」


 酷い言われようだ。私だって体だけは、元王子様の婚約者である。身分的に見れば、ローレンス以外は私が何かしても不敬だ何だと言えないのだ。


 まぁ、今はただのクレアだからやらかしたら一発アウトなのだけど。


「大丈夫、大丈夫!」


 私が笑うと、三人は揃ってため息をつき、そして何やらコソコソと話し合いを始めたので、隣を歩いていたヴィンスに私もこっそりと聞く。


「ねぇ、魔法査定って何?」

「魔法査定ですか……プラチナバッチ取得の可能性があるテストのようなものです」

「そもそもそのバッチ制度があまりよく理解出来てないんだけども」

「左様でしたか……バッチは、それぞれ、入学当初から与えられているブロンズバッチがあります」

「それも初耳」

「……教室に戻ってからご説明します」

「ご、ごめん」


 教員室からそれほど遠く無いのですぐに到着し、教室へと入る。私達は自分の席について、ヴィンスは自分の胸元から、銅でできたバッチを外してテーブルに置く。


「こちらがブロンズバッチです。クレアも持っていますでしょう?」

「あ、そうだったんだ」


 自分も確かにつけている。正直なところ、校章かと思っていた。魔法玉と剣の紋章が施されているので尚更。


「一年に三回、魔法を公式の場で先生に精査してもらい、ランクが上のバッチを取得する機会があるんです」

「それが魔法査定?」

「そうです、それからあと二つは、トーナメントの個人戦と団体戦です。個人戦は夏、団体戦は秋、査定は冬に予定されていて、それぞれ既に鍛錬が始まっています」

「へぇ」

「二年生になるまでに、プラチナバッチ。三年生になるまでにゴールドバッチの取得が必要になり、卒業試験に合格すれば晴れて魔法使いになることが出来ます」

「…………じゃあ、プラチナバッチを持ってなかったら、二年生にはなれないってこと?」

「そうですね、留年は認められていないので、その場合は学校を去ることになります」

「……それって落第ってこと?」


 私が聞くとヴィンスは、自分のバッチを元の位置につけ直して、「そうですね」とこくんと頷いた。

 

 ……私って、こんな魔法玉だしチーム戦で功績残す以外で、バッチ貰えなくない?早くて一年後に落第が有り得るってこと?


 そう言われると妙な焦りが生まれる。私が自分のバッチをいじりながら自分を落ち着けていると、通路側に突然チェルシーが現れる。


「クレア、リーダークラスに行く前に私たちと約束ですっ!いいですか?」


 手を取られる。顔を上げると、サディアスもシンシアも私を取り囲むように立っていた。


「喧嘩を売らない、買わない、一人で何かを決めてはダメです!一度持ち帰ってきて下されば皆でお話しして決められますからっ、ね?」


 子供に言い聞かせるようにそう言われて、手をギュッと握られる。そんなに信用ないかね、私。


 ……まぁ、良いか。頷いとこ。


「うん、いいよー」


すると皆はほっとしたような顔をして、ぞろぞろと回って自分の席の方へと戻っていく。

 この一チームひとつの長机方式って結構話し合いづらいんだよね。





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