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悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?  作者: ぽんぽこ狸


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前途多難……。1



 次の日、登校すると、私に向かって色々な視線が向けられる。それは軽蔑の目線だったり、嫌悪だったりもするけれど、昨日の大立ち回りのおかげで多少好意的な反応をする人もいる。


 その中に、昨日やっとチームメイトとしてやっていく事を認めてくれたチェルシーとシンシアも入っている。

 彼女達は私に気がつくとすぐに「おはようっ」と笑顔で声をかけてくれる。


「おはよう!チェルシー、シンシア」


 私は挨拶を返して、ヴィンスが軽く頭を下げて挨拶をする。


 早速、席へ向かうとそこには、変わらず空欄のポジション決めの書類があった。


「クレア、怪我は大丈夫でしたか、私、本当に容赦なく貴方に攻撃をしてしまって……」

「大丈夫!一晩眠れば痛みも取れたし、気にしないでシンシア」


 申し訳なさそうに眉を下げるシンシアに、元気だと見せつけるため少し大袈裟に腕を動かして見ればチェルシーはうふふと笑って、それから二人の間にあった書類を私の方へと差し出してくる。


「クレア早速で悪いのですけどっ、私は出来るだけこれを早く決めた方がいいと思うんですよ!」

「ポジション……普通はどうやって決めるものなの?」

 

 私がそう問いかけると、二人は顔を見合わせて少しの間、思案したあと答える。


「団体戦が盛んな学校から来たのであれば、それぞれ自分がやっていたポジションにつくのが通例です」

「個人戦メインだったのであれば、大体がアタッカー希望をする事が多いので、そのまま全員アタッカーということもありますっ!ただ、リーダーだけは、確実に決めなければならないので、くじ引きにしたり信用の置ける人物にしたりと様々ですね!」

「……なるほど」

 

 そう言われて考えるが、原作では大体が個人戦であり、団体戦の授業があることは書かれていたが、ポジションまでは書いていなかった。私はそもそもなんの役職があるかも曖昧なのだ。


 二人にそんな基本的な事を聞くわけにもいかずに、書類を見れば、それぞれ、アタッカー、ディフェンダー、サポーター、リーダーという枠がありその隣に記入欄がある。

 大体役割は名前通りだろう。


「おはよう、早速話し合いか?」


 私たちが首を捻っていると、サディアスがチームの長机につく。個々に挨拶を返し、今の話題を隣の席のシンシアが説明した。


「ポジションか……とりあえずそれぞれ、自分に向いていると思うポジションを上げて見るのがいいんじゃないか?」


 確かに、今全員揃っているのだから、それがいいだろう。けれど私には自分に向いているものがそもそもあるのかわからない。

 皆はどうだろうと視線を向けると、シンシアもチェルシーも口ごもってそれからヴィンスがぽつりと言う。


「私はクレアの指定するポジションを希望します。それ以外に意見は特にありません」

「……」


 それを聞いてサディアスが、どんな感情なのか私をじとっと見つめてくる、そんな目を向けられたって困るんだ。確かに、ヴィンスにはまったく自主性は無いがそれは私のせいだろうか。


 シンシアとチェルシーはヴィンスの反応に少し不機嫌になる。そりゃそうだ、多分この中で一番戦力にならない私が、戦闘力のある彼のポジションを指定するのは、魔法の戦力重視のこの学園ではお門違いの行動である。


 ……ダメダメ!また険悪になっちゃうよ。


「っ、サーチが固有魔法のディックが言っていたんだけど!ヴィンスは攻守一体のバランス型で回復が得意らしいんだ!だから、サポーターなんてどうだろ?」


 知識の浅い私の意見では、角が立つと思い、申し訳ないがディックの名前を出させてもらう。

 すると私の発言に二人は、クラスの端の方でオスカーとお喋りしているディックの方へと視線を向け、多少ましな案を出した私に少し機嫌を直す。


「そうなんですねっ……出来れば、最初の試合で成果を出した彼に仕切ってもらうのが一番なんですが……」


 チェルシーは私とヴィンスを見比べて、ふぅとため息をつく。


「仕方ありませんね」


 そう言われると申し訳ない。


 ぎこちない笑顔で笑う私に、チェルシーは続けて話す。


「それでは、クレアはどうですか?自分の役職の希望はありませんか」

「私?!」


 皆の発言を聞いてからにしようと思っていたし、なんなら余り物でいいと思っていたので、つい驚いてしまう。先程アタッカー志望が多いと言っていたのでとりあえずその方向で考える。絶対に向いてないと思うけど。


「アタッカー……は」

「貴方には向いていません、私に一撃も攻撃をしなかったことをお忘れですか?」

「あ、うん。覚えてる。じゃあ……ディフェンダー?」

「昨日の決闘を拝見した限りだと……盾の魔法も使えていないように見えたのですけれどっ、大丈夫ですか?」

「……サポーターは」

「……クレア、サポーターはチームに一人以上は必要ない」

「…………ごめん、私。ええと」


 しっかりと理由付きでどの役職も希望できないという事になり、必死に頭を回した。私がこれを言っていいのか迷ったが、仕方ない。


「じゃあ、リーダー……なんて」

「……」

「……」


 ……やっぱりそういう反応になりますよね??





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