第八話 魔王軍
つづきですー
「ま、魔王軍っていうの! お母さんたちが言ってた!」
「な、なんだってぇぇぇぇぇ!?」
俺たちは、驚きのあまりそう叫んだ!
……。
……俺たち?
「おい、トランプ、アーケード。お前らなんでそんな落ち着いてんだよ」
後ろを見ると、2人とも平然としている。
正確には、アーケードに至っては楽しそうにしている。
「すごいねぇ、魔王軍だなんてすごいねぇ!」
「魔王軍なんてのがいるのね」
おい!
というか、
「トランプ、お前魔王軍を知らなかったのかよ」
「え? えぇ。まあ言われてみれば聞いたことくらいはあったかもしれないけど」
まじか────
トランプは俺より賢いと思っていたのに!
「おいおいおいトランプ〜!? それはちょっと常識が足りてないんじゃねぇのか? おおそうだ。なんなら、今ここで一般常識クイズやっとくか? えーっとじゃあ、『海豚』って書いてなんて読むか知ってるかぁ? 答えはな、『クジラ』だよ!」
「隙あらばマウントとろうとすんな。 あと『海豚』は『イルカ』よバカ」
……えっ、そうなの……?
「……あ、あの、お兄さんお姉さん」
おっとすまない。
「お兄さんたちに任せとけ。俺はユウリだ。そんでこっちがトランプとアーケード。俺たちがな、魔王軍なんかやっつけてやるから」
「ほんとに!?」
「ああホントだ」
「ちょっとちょっと!」
トランプがこづいてきた。
「なんだよ」
トランプは女の子に聞こえないよう俺の顔に近づき、言う。
「ちょっと、本当に行くの?」
「だって一応人助けの旅だし。お前も困っている人を助けてチヤホヤされたいだろ? 魔王軍なんて大手柄だぜ」
「わたしは魔王軍なんか御免よ! だって勝てる見込みがないもの。ここにいる3人とも全員、戦闘力は一般男性以下なのよ?」
「おい待て。なんで俺まで弱いことにされてんだよ」
「じゃああんたはなんかできるの?」
…………。
「魔法でお湯を沸かす」
「無能が!」
「おい待て、俺は無能じゃ」
「──あの、お兄さん、お姉さん!」
おっと、すまない。
「ちょっと待っててな。お兄さんはお姉さんとお話があるから」
「うん」
俺は再びトランプと向き直る。
「とにかくだ。この子をこの場に放置するわけにはいかないだろ。一旦村まで行って事情を聞こうぜ。な、それぐらいいいだろ?」
俺がそう言うと、トランプも渋々といった様子で応じた。
「……わかったわ」
「アーケードも来るか?」
「ん〜? そうだね、行こうかな!」
「うし、じゃあ今度こそ決まりだな」
そういうわけで、俺たちは小さな村に寄り道することにした。
「……ところでキミ、俺のパーティーに入るつもりはないか? って痛でっっ!」
トランプに思い切り横腹を殴られた。
次回もお楽しみに(・v・)/




