第三話 新メンバー
三話目です。
※今話は三人称視点です。
トランプが屋敷を出て向かったのは、隣町へ行く人々が進む道から少し離れたところにある小道だった。
ややうっそうとしているこの道は、トランプが泥棒稼業を行う中で見つけた隣町への近道だ。
大通りより狭く目立たないため、この道を使うものは自分以外ほとんどいない。
そう思っていたが、しばらく道を進むと前に人影があることに気づいた。
(私以外にこの道を使う奴なんて珍しいな……って、げっ!)
トランプの前を歩くのは、先ほど盗みに入った勇者パーティーで「湯沸かし師」とやらをしていた男だった。
(バレてはいないと思うけど、念のためスピードを早めるか)
そう思い加速した直後だった。
「ちょっと、そこの人! 一回止まってくれ! おーい!」
その男が声をかけてきた。
(えっ、わたし!? 呼び止められた? もしかしてバレた……? いや、でも)
トランプは混乱した。
だがしかし、もし疑われていた場合無視して進むのは得策ではない。
相手の戦力も未知数だ。
いきなり攻撃してこないということは、話せば誤魔化しようがあるかもしれない。
トランプは、急ブレーキをかけ停止する。
振り返ると男が笑顔で近づいてきて、話しかけてきた。
「いきなりすまない。俺は湯沸かし師のユウリというものだ」
「えーと、私はトランプといいます。え……っと……。なんすか?」
トランプは緊張しつつも、できる限り怪しく映らないよう心がけながら話す。
しかしそれを受けてユウリが次に言ったセリフを聞いて、トランプは困惑する。
「俺とパーティーを組まないか?」
なぜ?
(まさか、わたしが泥棒だとわかってからかっているの? ──あと、お湯沸かし師ってなんだよ!?)
トランプの混乱をよそに、ユウリは続ける。
「よし、決まりだな。これからよろしくトランプ。ちなみにトランプは、普段何をやってるんだ?」
「え? あ、えーと……。じ、自営業……」
「そうか、いいよな、自営業!」
「お、おう……」
目の前の男は自営業の意味を理解しているのか、湯沸かし師とはなんなのか、そしてそれ以上にトランプが一番気になっているのは、なぜ自分はいつの間にかユウリのパーティーメンバーということになっているのか、ということだった。
「さて、トランプ。今日はパーティーメンバーの長として、俺からお前に話がある」
「いきなりっすね」
「トランプ、お前は今日でパーティーメンバーをクビだ! お前のような無能はうちのパーティーにはいらない! 早く出ていけ!」
えぇ……
次回は明日投稿予定ですー
よろしくお願いします(・u・)




