第二話 旅の道中
二話目です。
勇者パーティーを追放されてから数時間が経った。
俺は今、王都を出て広い野原を歩いていた。
「くっそぉ、腹が減ったぜ……」
とりあえず旅に出たはいいものの、王都の外にはしばらく街がない。
勇者パーティーにいたときには、野営の準備も食糧の確保も仲間に任せていた。
俺に旅の心得などない。
もうすぐ日も暮れるし、このままだと飢え死にする。
あと、さっき空腹のあまり消味期限の3ヶ月切れたガムを食べたせいで、腹も痛い。
ちくしょう。
これも全て、俺を追放したあの勇者のせいだ。
だんだん腹が立ってきた俺は、あることを思いついた。
「そうだ。復讐だ。復讐をしてやる。俺も新しくパーティーを作って、そこから無能を追放すればいいんだ。そうすれば、多分スカッとするぞ! あ! しかも、そのパーティーで困っている人を助ければ、みんなにチヤホヤされることもできるぞ! 一石二鳥だな!」
名案を思いついた俺は、早速新パーティーのメンバーを探すことにした。
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※ここは泥棒の少女視点です。
なぜか家を捨てた勇者パーティーの屋敷を物色し満足のいく結果が得られた私は、とりあえず王都を離れて隣の町にいくことにした。
万が一にも足がつかないよう、換金は隣町で行うのだ。
盗品を包んだ風呂敷を背負い、屋敷の外に出る。
そしてスキルの「瞬足」を使い、私は風を切って進み出した。
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「うーん」
俺は途方に暮れていた。
すれ違ったやつに片っ端から声をかけようと思っていたのだが、そもそもこの道には人がいない。
なぜだ。さっきから一度も人とすれ違わない。
この国の人材不足はここまで深刻だったのか……。
それか、俺が進む道を間違えているのか?
なんとなくこっちの方だったという記憶だけで歩いているから、誰も使わないような道にひとり迷い込んでしまったのかもしれない。
しかも、いよいよをもって腹が痛い。
妊娠しているのかもしれないくらい痛い。
「う、生まれる……」
俺が産気づいていると、背後の方から1人の人影が猛烈な勢いで走ってきた。
ひ、人だ!
俺は咄嗟に声をかける。
「ちょっと、そこの人! 一回止まってくれ! おーい!」
高速で走ってきた人影は、俺の少し前でズザザザーと砂煙を起こしながら止まる。
そして振り向いた。
そこにいたのは、銀髪の少女だ。
俺は少女に近づき、話しかける。
「いきなりすまない。俺は湯沸かし師のユウリというものだ」
自己紹介も兼ねて挨拶をすると、その少女も戸惑ったように口を開く。
「えーと、私はトランプといいます。え……っと……。なんすか?」
困ったような様子の少女、もといトランプに、俺は言う。
「俺とパーティーを組まないか?」
視点移動多くてわかりづらいです。すいませんorz




