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第十話 村長の部屋

 村長の家の廊下を歩き、奥の部屋に入る。


 そこには白い眉毛に白い髭、大きな鼻の、まさに村長という感じの老人が佇んでいた。


 おっさんが村長に話しかける。


「村長、お話があります」


「なんじゃ」


 村長が答える。


「こちらに、元勇者パーティーのメンバーだという方がいらっしゃいます。魔王軍との戦いに力を貸してくれるということです」


「なんじゃと!」


 村長が目を見開いてこちらへ歩いてくる。


「わしは村長のビアードと言いますじゃ。魔王軍対策に助力していただけるというのは本当なのですか」


「ええ。俺は元勇者パーティーメンバーのユウリと言います。で、コイツらが自営業のトランプと隣町から来たアーケード」


 俺の自己紹介を嬉しそうにしつつも、村長は眉をひそめていう。


「ああ、ありがたや。……ところでアーケードさんとおっしゃいましたか。あなた様は隣町からいらっしゃったと?」


「ん? ああ、そうだよー」


「隣町と言いますと、私たちの村より先に魔王軍の襲撃にあったのでは?」


「そうだねー。なんとか避難したけど」


 アーケードは他人事のように答える。


 村長がそれを聞いて「それは災難でした」と頭を下げる。


 というか、アーケード。俺たちは隣町が「消滅した」としか聞いていないぞ。


 隣町は魔王軍の襲撃を受けていたのか。


 ビアード村長は続けて言う。


「おそらく魔王軍は、隣町とその近くにある我々の村周辺を支配下に置き、そのまま王都に攻め込むつもりと思われますじゃ」


 おい、まじか。


「そんなことになったら大惨事じゃないか。王都軍はどうしたんだ」


「隣町から王都はかなり距離がある上、連絡網は魔王軍の襲撃で混乱してるのだと思われます。それで王都側にはまだ情報が伝わってないのですじゃ」


 なんてこった。


 責任重大だ。


 トランプは顔を青くして「帰りたい……」と呟いている。


「それで、数日後にこの村にくるっていう魔王軍への対処はどうするんだ?」


「それについては、村のため魔王軍と戦うと言うものや避難の優先を訴えるものなど、未だ村の中でも意見が割れているのですじゃ。今晩この家に皆で集まり、全体への具体的な状況説明とそうした意見の集約をしたいと思っているのですじゃ」


「それなら、俺たちもその会議に参加すればいいのか」


「それがいいですな。そこでより詳細な話をしますので、それまでは村の人々と交流したりして時間をお潰しになるといいですじゃ」


 そういうわけで、俺たちは村長の家を一旦離れ、村を見て回ることにした。

10話でした。お待たせしましたー!

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