決意
「『開け、我が物』」
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エイジ(天宮叡嗣) 17歳 人族 男性
Lv.1 魔力総量:36800/36800
《技能スキル》
【剣術Lv.Ⅴ】【体術Lv.Ⅳ】【水泳Lv.Ⅲ】【歌唱Lv.Ⅲ】【弓術Lv.Ⅱ】【研磨Lv.Ⅱ】【騎乗Lv.Ⅰ】【五感強化Lv.Ⅰ】【身体強化Lv.Ⅰ】【鷹の目Lv.Ⅰ】
《耐性スキル》
【苦痛耐性Lv.Ⅱ】【恐怖耐性Lv.Ⅱ】【火炎耐性Lv.Ⅰ】【溶解耐性Lv.Ⅰ】【不撓不屈Lv.Ⅰ】
《魔法スキル》
【収納Lv.Ⅰ(未実行)】
《固有スキル》
【幸運と不運Lv.‐】【深遠なる才能Lv.‐】【悠久の成長Lv.−】【進化Lv.Ⅲ】
《特殊スキル》
【異世界言語習得】【魔の叡者】【武の猛者】【天賦の才】【鬼才】【魔術の逸材】【魔術の至宝】【武の逸材】【武の至宝】【魔術適性】
《称号》
〔不運な男〕〔幸運な男〕〔才限無き者〕〔オールラウンダー〕〔異世界人〕
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広場から少し離れた木陰で、叡嗣は木に寄りかかりながら呟いた。
名前、年齢、種族、性別、レベル、魔力、スキル、そして称号。
一つ一つ、丁寧に確認していく。
なんども、なんども確認し、そして称号の1つが見間違えでもなんでもないと叡嗣はようやく納得する。
〔異世界人〕
異なる世界からの来訪者。稀有な存在。
スキル【異世界言語習得】または【一般言語習得】を得る。
叡嗣自身もなんどか読んだことがあるラノベのようなその言葉は、深く息を吐くのと同時に叡嗣の中にストンと落ちていった。
「まさか……なぁ」
死後の世界でもなく、夢でもない。まさかの異世界と来たわけだ。さすがに、不運さ故に色々なことになれている叡嗣であっても驚きは隠せない。
一度だけゲームの世界に来たのでは……なんて考えていたが、実はそれも決して外れていたわけではないのだと、開かれたウィンドウを見ながら思う。
ゲームチックなウィンドウにゲームチックなスキルや魔力といった単語に、レベルという概念。
実は異世界風な夢なんじゃないかと、頬を抓ってみるが痛いだけで、夢が覚めることはなかった。
もし、仮に本当にここが異世界なのだとしたらどうするべきなのか。叡嗣は広場でまだ剣を振っている冒険者と子供たちを見る。
男性に聞いたところによれば、この世界にはモンスターというような凶暴な生き物が生息しているようだ。叡嗣は運良くここに来るまでの間、遭遇はしなかったが。
それらを退治したり、撃退したり、あるいはなにかを守ったり、旅の護衛をしたりする存在が恐らくは彼ら、冒険者なのだろうとあたりをつける。
子供が剣術スキルがあるかもと聞いてよろこんでいたところをみるに冒険者というのは憧れの職業なのかもしれないと、予想する。
叡嗣はふむ、と顎に手をやり考え込む。
もし、本当の本当に間違いなくここが異世界なのだとしたらここで生きていくためになにかをしなければならない。
頼れる人間は誰も居ない。それを考え、叡嗣は少し恐怖を覚える。だが、思考を止めてしまうほどでないところを踏まえると、【恐怖耐性】というものが効いているのかもしれない。
それはさておき。
生きるためには、衣食住は必要だ。
それを得るためには、金銭が必要なわけだが叡嗣は今着ている服以外になにも持っていないし、そもそも金銭を得るにはなにか仕事が必要だ。
この世界でなにができるだろうか。
そんなことを考える。
この世界に来て、まだ数時間。知っていることはほとんどない。
考えに考える。
そして、1つの結論にたどり着く。いや、そうならざるを得なかったというべきか。
「冒険者……かな」
そんな呟きをすると共に、叡嗣はこの世界で生きる決意を固めた。