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プロローグ

またやってしまった…………仕方ないんだ、だって思いついてしまったから。

他にも色々あったけど自重してこれだけだからいいよね!?ネ?ネ?

人生において、大成するにはなにが必要か。

財力?権力?才能?あるいは優れた容姿?それか、それら全てか?


たしかに、それらも重要なものだろう。

しかし、一番必要なのはつまるところ『運』だ。


どれだけ財力があろうと、運が悪ければ一気に失うこともある。

どれだけ権力があろうと、運が悪ければ追い落とされる。

どれだけ才能があろうと、運が悪ければその才能を育てることも開花させることもできない。

どれだけ容姿が優れていようが、運が悪ければ理不尽に嫉妬され、理不尽な仕打ちをうける。


それ以前に、運が悪ければなにも得ることができない可能性すらある。


だから、運こそが人生を左右するのだ。





と、彼──天宮叡嗣(あまみやえいじ)はよく口にした。









◇◆◇◆◇


天宮叡嗣、17歳、高校2年生。

容姿は優れ、成績も優秀。文武両道であらゆるものに才能を持つ。

という評価を受けてはいるが、彼には、彼自身しか知らないある欠点があった。





それは……ただ運が悪いということ。

別に、極めて悪いわけではない。

たとえば、歩いていたら工事現場から鉄骨が落ちてきたり、高校受験の際に採点ミスで不合格になったり、靴を買ったらすぐ靴紐が切れたり、駅のトイレに入ったら丁度紙が切れていたり……そんな小さな悪いことが起こるのだ。


ただ、そんな小さな不運でもあるよりはない方がいい。

いや、鉄骨が落ちてきたり、採点ミスで不合格になるのは小さい不運ではないか。


まあ、ともかく。

そんな不運に幼少から悩まされた叡嗣が『運』というものに何かを思うのは当然のことだったのだ。




一般的な視点で見れば、叡嗣の家庭は恵まれていたのだろう。

父は元々地方の名士の1人息子で、財務省のキャリア。

母は大学ではミスコンで優勝したこともあり、料理の得意な女性だった。

祖父母は叡嗣が12歳の時に亡くなっているが、どちらも優しく叡嗣はよく懐いていた。


不自由なく暮らせるだけの金銭的な余裕に優しい家族。

それだけで十分に恵まれていただろう。


だが、やはり運というものが全てを左右するということを叡嗣が知るだけの出来事が起こる。


両親の死だ。

両親の乗る飛行機が不運にもアメリカへ向かう途中に故障し、墜落し、叡嗣の両親はこの世を去った。



そんなことから、叡嗣は運について思うことがある。

しかし、それでも腐ること無く生きているのは、ひとえにこれまでの家族の愛情故だろう。



ただ、まあ運が悪いことには変わりないが。






この物語は、そんな運の悪い少年が運悪く異世界に行くような、そんな話だ。



評価なんかも、よろしくお願いします!


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