表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夏夜  作者: 水谷なっぱ
15/18

三海の後悔

 三海がこっそり家に入ると、家の中はしんとしていた。誰も三海がいなかったことに気づかなかったのか、もしくは気づかないふりをしてくれているのかもしれない。どちらにせよ、今の三海にはありがたいことだった。

 三海は真っ暗な自室に戻り、明りもつけずにベッドに転がる。カーテンを引いていない部屋の中は薄暗い。三海の思考も暗くなる。

「言い過ぎた」

 最初に思ったことはそれだった。夜と詩音、とくに詩音に対して言い過ぎたと思う。いくら思っていても、口に出してはいけないことがあることくらい三海だってわかっていたはずなのに。なのに言ってしまった。詩音を傷つけてしまった。

 二人の間に入っていけないから苛立っていて、そのことで詩音に八つ当たりをしてしまったのだ。なんと言って謝れば良いのだろう。そもそも謝って許してくれるのか。

「でも、わたし間違ったことは言ってない」

 だから謝る必要なんて――いや、なにを考えているのだろう。言ってはいけないことを言って、相手を傷つけたのだから謝らなくてはいけないのだ。

 先程の詩音の顔がまぶたに浮かぶ。詩音は、大きな目を涙でいっぱいにして泣いていた。それだけ詩音にとって言われてくないことだったのだと思う。

 きちんと明日謝ろう。三海は起き上がって服を着替える。

 夜にも言いたいこと、言わなくてはいけないことがある。でもそれより先に、きちんと詩音と話したいと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ