2/3
最下層
ヒュー………
隙間風が音を立てて、部屋の中にはいる
部屋の中央には、椅子が二つ、向かい合うように置かれていた
その二つのうち、奥の椅子には、まだ10になったばかりであろう幼い少女が、気を失ったまま座っている
さらに少女の奥にあるのは、白い壁と、青い月によって淡い光を放つ窓
さきほどの隙間風は、きっとこの窓が原因であろう
ヒュー、、ヒュー……
綺麗な音色を奏でながら、冷たい風は、少女の体を覆うようにまとわりついた
「…………ん」
ブルリっ
と、少女が身震いをした瞬間、少女の座っていた椅子はギジリと音を立てた
「っ………ぁ」
少女の、小さな呟きとともに、色素の薄い睫毛をフワフワ揺らしながら閉じていた瞳が、うっすらと、ひらきはじめた