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メタァな厨二病男子とチートなお節介系幼馴染は果たして純潔を守れるか!?  作者: アシタカ
第一章 人族領・商業都市ゾンネンブルーメ編
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第14話 ビギナーの依頼4

 体を鍛えるのに走り込みと筋トレしかできなかった私だが、ディアナが帰ってきてくれたので短い時間だが魔法の練習も行うことができた。と言っても、やはり教えることが得意でないディアナは悪戦苦闘で、とりあえず命中率を上げるために的当てなどを行った。


「『火炎矢ファイアーアロウ』!」

「おしい、ちょっと距離が足りないね。もうちょっと照準を上に上げた方がいいね」


 弓道とかやっておけば良かった。でも何度もやれば感覚が分かってきて、的に段々と近づいていった。ビギナーが終わった後、一日休息日を入れて依頼に向かうのだが、役に立てるだろうか?そう思うと少しでも威力も命中率も上げておきたい。


「本当にマーガレットは才能あると思うなぁ。グングン上達してるよ!それにやる気持って取り組んでくれるから、こっちも応援したくなっちゃう」


 ディアナが褒めてくれるので私も調子に乗ってしまう。


「あのね。初め、本格的にやる気ないって話してたけど、今ちょっと楽しいんだ。自分のできなかったことができるのって、楽しくて」


 拓郎には早く帰りたいって話ばかりしているけれど、本当は今楽しくて仕方ない。異世界が流行ってるっていうのはよく分からないけれど、ファンタジーって嫌いじゃなかったから。自分がこんな世界に迷い込んで、しかも魔法が使えるなんて。正直に言えば楽しく仕方ない。


「マーガレットは魔術師あってると思うよ。きっと良い冒険者になれる」

「ありがとう」


 ディアナと練習が終わった後は仕事に向かった。なかなかハードスケジュールだと思うのだが、体力づくりをしていたお蔭か疲れてダウンするということもなかった。何もかもが順調な気がして、ディアナたちと冒険に出掛けるのが楽しみになった。

 そうして3日間はあっという間に過ぎて、依頼は終了となった。


「お疲れ様でした」


 10日ぶりに見た冒険者ギルドのお姉さんは相変わらず無表情で仕事をこなしていた。


「依頼先での評価も連絡をもらっています。申し分ない働きだったとのことです」


 良かった。仕事が評価されるというのは嬉しいものだ。思わず拓郎と視線を合わせ、お互いにガッツポーズを取ってしまった。


「エイブラハム様より報酬をお預かりしております。お受け取りください」


 お姉さんがそうしてカウンターの上に置いたのは4枚の銀貨だった。

 この世界の通貨は金貨、銀貨、準銀貨、銅貨、準銅貨である。4人が使っているところを見たがほとんどが銅貨で、銀貨・金貨は見ることすらなかった。価値としては1金貨=10銀貨=100準銀貨であり、1準銀貨=10銅貨=100準銅貨となるそうだ。

 大体1食2枚の銅貨で食事が取れて、一日2回食事を取る。宿は一日4枚の銅貨で一泊泊まれるので、銀貨1枚あればこの計算だと12日は生き延びれるだろう。こっちの世界に一カ月という概念はないが、ひと月他に何もせず過ごすのであれば銀貨2枚と銅貨少し必要ということだ。


「拘束期間が10日間と長かったので、そこも加味した依頼料だそうです。ちなみにビギナーの依頼料からギルドは仲介料を取りません。なので今後の依頼には仲介料が取られます。掲示板に張ってある金額はすでに仲介料を引いた金額で表示されているのでご了承ください」

「ありがとうございます。分かりました」


 と言っても文字が読めないからしばらく掲示板は利用できないだろうけれど。


「それではビギナーの依頼を達成できましたので、冒険者証明書をお渡しします。仮に渡していたものは回収するので出してください」


 ついに冒険者の証明書も発行された。パーシヴァルたちが首から提げているプレートだ。もらった物をじっくり見ると、ディアナに習った自分の名前が刻印されていた。

 私も拓郎も、ついにマーガレットとナイトとしてこの世界に身分ができたのだ。



 ***



 一緒に行く依頼については、すでにパーシヴァルたちが内容を決めていてくれた。


「ホッピングラビットの毛皮を取りに行くぞ」


 依頼の内容は『ホッピングラビットの毛皮を5体以上入手すること。報酬は1体あたり準銅貨5枚。剥ぎ方、大きさ、汚れ等で取引金額の変更あり』。商人が毛皮をほしいらしく依頼が出されたようだ。ホッピングラビットはすぐ近くの草むらでも見つけられるようなごくありふれた魔物らしい。旅支度も手伝ってもらって、ついに初陣となった。


「良い?さっき教えた通りにやれば上手くいくから」

「わかった・・・」


 私はディアナと一緒に近くの茂みに隠れて待ち伏せを行った。ホッピングラビットは逃げ足が速いのが特徴らしい。基本攻撃に威力はないけれど、戦闘となった時はその逃げ足の速さでなかなか攻撃を当てることができないのだ。

 手筈としては、ナイトたちがホッピングラビットを追い立ててこちらまで誘導し、私とディアナで『妨害氷縛フリーズチェック』で足元を凍らせ動きを封じ込めるというものだ。ほしいのは毛皮なので、あまり無駄な傷を付けずに捕獲するのが狙いの作戦である。


「ナイト、上手くできるかな」

「あら、余裕ねマーガレット。他人の心配してる場合じゃないわよ」


 しばらく茂みで息を殺し、ナイトたちが追い立ててくるのを待った。まずは獲物を見つけなくてはいけないため、なかなか時間がかかるようだけれど。

 初めての狩りにより神経を研ぎ澄ませていたせいで疲れてくる。ちょっと集中力のかけた辺りで、動きがあった。


「マーガレット、来たよ」


 ディアナに声を掛けられ杖を握りなおすと、遠くから「うわあああ・・・」と、ナイトと思しき声が聞こえてきた。そちらの方向を見てみれば、ナイトが数匹のショッキングピンクのうさぎを追いかけているところだった。何だあの色は。


「マーガレット、タイミングを合わせるのよ」

「わかった」


 第一段階が成功しているようなので、次は私の番だ。ドキドキしながら唇を舐め、目標地点に標的が走り込んでくるのを待つ。ホッピングラビットは私の予想以上の速さで走り込んできた。


「マーガレット!」

「『妨害氷縛フリーズチェック』!」


 標的は4匹いる。私は急いで魔法を唱えたが、速すぎて1匹しか止めることができなかった。すかさずディアナが同じ呪文を唱えて他3匹の足も止める。やった。止められた。


「よし、捕まえられたな」

「まぁ、初めてにしては上出来じゃねーの?」

「順調ね」


 パーシヴァルたちも合流してきて、私も安堵からゆっくりと息を吐く。成功した。良かった。


「やったね。成功したね、ナイト」

「ふっふっふ。当然だ。うさぎ程度の狩りなんて、このナイトさまにかかれば雑作もない」


 早くも3匹捕まえられたし、この調子ならあと何匹くらい捕まえられるだろうか。正直に言えば1体につき準銅貨5枚って少ないなと思っていたのだが、結構な額を集められるんじゃないだろうか。


「それじゃ、早速やるか。2人ともよく見て覚えろよ」


 ホクホクの私とナイトだったが、チャドを見て凍り付くことになった。彼は小刀を出すと、ピーピーと鳴くホッピングラビットに近づいていく。


「どこに刃を入れてどうやって切っていくか、手順教えてやるから」

「まずは血抜きね」


 いつも可愛いディアナのいつもと変わらない口調に、私とナイトは硬直した。

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