星屑の唄
雨がやんでも
行き場のない私は
嘘を吐くことさえ知らず
選ばなかったことを
思い出しては悔やむ
限りある幸せが
きっといっぱいいっぱいで
苦しかったのだろう
健気な少女はいつか
この秋を恨む
寒さは日毎に増して
白い息が泣く
好きだと言ってくれた君が
全部だった君が
そして散って行った
たとえば生まれ変わって
違う道をたどって
強く君を抱けていたなら
手の冷たさに触れて
途方に暮れることもなかったのに
名残惜しむ暇もなく
匂い立つ君は去った
脱け殻になった私は
熱ばんだ喉をさらして
逃れるように空を見た
初めて愛してくれた時の
皮膚の温度を覚えている
深く深く溺れて
部屋の隅で呼吸を乱して
星屑のようにきらきらしてた
まだ咲かない花
耳をすましても聴こえない
無垢な君の笑い声は
めまいがするほど遠くて
もう、戻らないの
柔らかな肌の君
夕暮れの匂いの君
夜明けには私も、星になるから。
複数の見方ができるような詩にしましたが、一応女学生同士の恋愛をイメージしています。ただ、一般的な恋愛関係の男女として見ていただいても、どちらでも結構です。
読んで下さり、感謝です。