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魔法使い  作者: 泉水透
第一部
1/2

プロローグ

 遠い遠い森の奥に、1つの国があった。

 街1つしかないその国では、あらゆる物が共生していた。

 人間でも獣人でも動物でも魔物でも、

 老人でも赤ん坊でも傭兵でも犯罪者でも。

 そこは、全てを受け入れた。

 生き残れるかは、別の話であったが。


 そんな国に、1人の少女がいた。

 腰まであるまっすぐな髪は、艶やかな黒。楽しげに細められた目は、どこまでも青く。

 鼻歌を歌いながら、街の喧騒の中を歩いていた。


 自由都市 ファラーシア

 ここは、彼女のための国

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