第2発「通信魔道具!」
ドルチェビッチがシュミケンに向かって、彼らの計画に不可欠な魔道具について説明を始めた。
「この世界には、魔力を用いて遠くの映像を伝達する魔道具が二種類存在します。一つはリアルタイムで映像を伝達するもの。これは非常に高価で、しかも受信側と送信側の調整が必要なのです。途方もない技術と魔力が必要になります」
シュミケンは真剣な眼差しで聞き入っていた。
ドルチェビッチは続ける。
「そしてもう一つが、記録した映像を映し出す魔道具です。こちらは比較的安価で手に入れられますが、その性能には限界があります。再生できる回数が限られており、映し出される映像も画質がそれほど良くなく、ひとりが見る分には十分ですが、複数人で視聴するには適していません」
ドルチェビッチはため息をつきながら説明した。
「いまや、こうした魔道具の技術は、何年もの間、大きな進歩が見られずに停滞しています」
しかし、シュミケンはこの状況を楽観的に捉えていた。
「それは、逆に言うと、僕たちの手で新たな可能性を見出すチャンスかもしれない。特に、記録再生型の魔道具なら、初期投資を抑えられるうえ、私たちの作品を特定の顧客層に限定して提供することが可能だ。それに、画質が良くなければ、芸術性を重視した映像作品にすればいい。内容の質で視聴者を惹きつけるのだから」
ドルチェビッチはシュミケンの前向きな思考と情熱に少し感動した。
ドルチェビッチの魔道具に関する説明を聞いた後、シュミケンは話題を変え、この世界の性的関係について興味を持ち始めた。
「この世界では、性行為はどうなっているんだ?」
シュミケンは堂々と尋ねた。
ドルチェビッチは一瞬たじろぎましたが、誠実に答えた。
「この世界でも、性交はすべての種族で同じです。私のようなエルフでも。あなたのような人間でも。男のぴーーーーーーーを女性ぴーーーーーにぴーーーーぴーーーしたりぴーーーーーぴーーーーしますよ」
この話を聞き、シュミケンは安堵のため息をついた。
(現代の日本のほうがプレイに多様性があるな)
彼は更に興味を深め、
「それなら、出演者を探しに行こうじゃないか」と提案しました。
提案を聞いたドルチェビッチは、最初は躊躇したが、シュミケンの熱意に押され、了承した。
「この世界には人間族、エルフ族、獣人族、魔族、ドワーフ族といった様々な人種が暮らしていますが、あなたの求める出演してくれそうなやつらが1か所に集まる場所があります」
二人は娼館が集中している一角に向かった。この異世界には、人間族だけでなくエルフ族、獣人族、魔族、ドワーフ族といった様々な人種が共存し、それぞれが独自の美しさと魅力を持っていた。
娼館にはそれぞれの人種の特性を生かしたサービスがあり、多様性と包容力がこの地域の特徴となっていた。
シュミケンとドルチェビッチは、キャスト探しに細心の注意を払いながら、この新しい可能性に向けて一歩を踏み出した。
◇
「おい、変な男とエルフ女が商売道具に声をかけているみたいだぜ」
一人の獣人族の男がある娼婦街の大物に告げ口をした。