お月様
東の空に低く見えた
お椀の形のお月様。
綺麗だよ、不思議だよ。
あなたに伝えたかった。
霜が降り始めている
この頃の夜や朝に、
風邪とかひいていないか。
祈る心がある。
何故に、この世界が
ありますか、お月様。
何故に、この思いが
消えませんか、独り言。
同じお月様を眺め、
同じ時を過ごせたら、
嬉しいよ、不安だよ。
あなたに伝えたかった。
雪にはならないこの街、
北国の冬を旅したい。
美味しい鍋はどうですか。
身が縮こまるだけかな。
何故に、この世界が
生まれたか、お月様。
何故に、この思いが
残りますか、独り言。
平和な国に生まれては、
ウルトラマンに守られる、
頼もしい、悩ましい。
あなたに伝えたかった。
大人になんかならない。
いつまでも子供でいよう。
抱きしめられていたい。
お椀の形のお月様に。
何故に、この世界が
守られるか、お月様。
何故に、この思いが
打たれるか、独り言。
西の空に移ってゆく
お椀の形のお月様。
静かだよ、寂しがるよ。
あなたに望みたかった。
年の瀬になれば忙しなく、
気まぐれな人達の所為。
アスファルトを滑るのは
冷たく乾いた靴の先。
何故に、この世界が
愛し合うのか、お月様。
何故に、この思いが
密やかか、独り言。