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捏造の王国

捏造の王国 その84  ニホンの武器は呪術?侵攻に対抗するかの国への土産は呪文の書かれた木片だ!

作者: 天城冴

念願?の某国首都キーウィへの訪問を果たし、支持率回復に結びつけつつあるニホン国キジダダ総理だが、ニホン的すぎる土産の意味を意外な解釈をされてしまって…

三寒四温どころか、夏日の次は肌寒い2月終わりの気温という、ハチャメチャなニホン国。気候同様の大無茶ぶりを政府が発揮し続けるも、毎度おなじみマスコミの忖度やらスポーツイベントで気をそらしているが

「くうう、わ、私がせっかく、かのロシア侵攻に抗う、かの国首都キーウィにインドから電撃訪問したというのに、国際野球大会ニホン優勝のニュースにかき消されるなんてえ」

と嘆くのはニホン国現首相キジダダ総理。なんのかんのと裏で手を回し、なんとか優勝銭までニホン国を勝たせようと試合の順序そのほかをおぜん立てしたものの、選手たちの思わぬ頑張りというか、想像以上に実力発揮、人気爆発で、肝心の総理の栄光のご訪問まで、わきに置かれてしまう始末。政府の顔色をうかがいまくるマスコミのおべんちゃら記事に飽き飽きした人々はスタイリッシュにクールに闘うニホン代表の本気の試合のほうについ目が行ってしまったようで

「いろいろ見せ場になるように画策したとはいえ、選手たちにそもそも実力がなければ、あれほどにならなかったんだ。なまじ実力が本物なだけにいい試合しちゃったから、私の訪問が色あせてしまったんだ。し、支持率が回復したからいいものの、いまだ不安要因が山積みだし」

不安要素の一つが

「ああ、ダカイチ大臣がアベノ総理の時にマスコミに介入言動しまくったという先進国ではありえず、中国でさえ、あんな露骨で無粋なやり方はやらないと鼻で笑われる行為がバレバレにばれて国会で追及されてしまっている。しかも、下手な答弁で支離滅裂で逆ギレ、ツイッターで自己陶酔したって、マスコミに追及逃れとか書かせたって、逃げ切りは無理なんだよなあ。まあ、私も罷免する気はないが」

キジダダ総理ほかへの批判がダカイチ氏、一人に集まってくれれば、こっちは助かる、支持率下げも収まるし、とダカイチ氏を助けるどころか人身御供にする気満々である。血統も才能も実力も、逃げるタイミングを計る勘の良さすらなく、トンデモ言動でトンデモトップに擦り寄るぐらいしか能がない面々の末路は哀しいものらしい。すでに追い落とされている似非政治学者ヨツウラ・ハリ氏と同じく、ダカイチ氏も

「まあ、引っ張るだけ引っ張ってもらい、そこそこなところで辞任かねえ。議員辞職まではかわいそうかな、しかし次に議員にしたいのもいるし。キーウィ電撃訪問もようやく国民の話題になってきたし、あの土産は我ながらセンス有ると思うんだ、日ロ戦争時に神社に奉納した人もいたというしい」

と自分が贈った土産を自画自賛するキジダダ総理だが、

チャラチャラリーン

「ん?誰だろう、もう、公務は終わって」

“あ、あのお父さん、あのお土産の件ですが、あのケレンスキーさんでしたか、大統領の方が妙なツィートを、その”

息子、チンタロウからの突然の電話。

「ど、どうしたんだ、チンタロウ、あの土産が何か、大統領は喜んでいたっていうのに」

“に、ニホン固有の武器だっていうんですう”

「はああ?あれは、必勝祈願のもので…、必勝とは書いてあるけど、それは、その…」

“『ニホンはミサイルとか、戦車とか供与できないというが、カミカゼに由来する呪術的武器があったのだ。ロシアを一度打ち負かした際に使われたという呪術木片、強大な力が込められているに違いない。太平洋戦争時も、勝つまでは至らなかったものの呪術攻撃で戦時中のアメリカ大統領を死にいたらしめたそうだ。この木片を我が国にもってきてくれたということはロシア、そしてプータン大統領に対し、ニホン国のトップたちが強力な呪詛をかけた証ということか!奴らの命は風前の灯、ありがとうニホン』とか言ってるらしいんですうう”

「いや、確かにあれは、かの国の必勝を願って贈ったんだが、そ、そんな恐ろしい意味では。その、」

いや、戦争している国に必勝祈願のなんちゃら、を贈ったら相手国を打ち負かす、相手国のトップの首をとるぐらいの意味にとられても仕方ないのだが、そういった当然の結論ですら、思い至らない程度のオツムのキジダダ総理。前、前々総理たちより学歴、IQはましなはずという触れ込みなのだが、しょせんお花畑というか、視野狭窄というか、自分に都合の良い妄想の中に生きるジコウ党世襲議員そのものである。

 国際大運動大会だの、国際野球大会だのと血みどろの戦争を同レベルに考え、軽いノリで必勝祈願の木片をお土産にしてしまった結果がこれでである。後悔先に立たず、意を決して危険を冒して戦禍のキーウィにいったのに、ほとんど注目されず、さらに土産のセンスも酷すぎというか、勘違いされまくり、ニホンの評判を落とし、ロシアにいらぬ恨みまで買う結果になりそうである。

「うう、ニホン国内では、“何アホなもの贈ってんだ”とか“戦争をスポーツの試合かなにかと勘違いしてんじゃないか”とか批判されてるし。だ、大統領は喜んでくれたからいいんだと思ってたが、そ、そんな意味にとっていたとは。こ、これじゃニホンがロシアに呪いをかけたみたいじゃないかああ」

まさに、その通りの意味でしょう、それに日本はそういう古臭いというか非科学的なものに頼っている神話の国、21世紀の先進国とは思えない呪術国家と思われるんですけどお、という冷たーい地獄からの声が心なしか聞こえたような気がして背筋が寒くなるキジダダ総理であった。


どこぞの国では、相手先への土産のセンスで、仕事のできる出来ないを判断されてしまうということがありますが、相手がどうとらえるかもわからないような物を贈ってしまうトップってどう思われるんでしょうかねえ。

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