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私が欲しいモノを望めば、“私のパパ”が何でも叶えてくれるわ!

作者: 七瀬







私は、“パパ活”をしていた。

派遣の仕事が、理不尽に打ち切りになり更新できなかったのだ。

貯金もなく、仕事を探してもなかなか見つからない!

そんな時、求人雑誌で【パパ活】の仕事を目にする。

時給は、本人と直接交渉して金額を決めてくださいと書いてあった。

【安心、安全、高収入】というのが売りらしい。

パパ活と言っても、特別何かする訳ではなく週に1.2回

会って食事やドライブに行くだけと書いてある。

私はお金に目がくらんで、求人広告に書いてある電話番号に電話し

面接をしてもらう事になった。



『あぁ! 今日、面接で来てくれた女性ひとだよね?

どうぞどうぞ! ここに座って!』

『・・・あぁ、はい!』

『あら? 可愛らしい女の子ね!』

『そうだね、“凄く美人さんだよ!”』

『いえ、そんな事はないです、』

『まあまあ、少し話してから面接しようか!』

『あぁ、はい!』

『こういう仕事は、初めて?』

『・・・あぁ、はい!』

『大丈夫だよ! 何の心配もないから、パパ活って言っても大した

事はしないし! みんなここで働いている女の子達は、たくさんお金を

貰って喜んでるよ!』

『へーえ、そうなんですか。』

『それに、相手にする男性ひとは、殆どは何処かの社長とか実業家って

ところかな? ホント、お金持ってるから直接、給料は交渉してもいいよ!

でも、交渉金額はうちの会社に言ってもらわないと困るけどね。』

『はい!』

『年齢も、若くて35歳ぐらいから50代後半ぐらいかな。』

『そうなんですね。』

『まあ、うちと契約してる男性ひとは、イイ人ばかりだから!

何にも気にしなくていいよ。』

『はい!』

『じゃあ、“合格ね!”』

『えぇ!?』

『明日、また同じ時間にここにきて!』

『・・・あぁ、わ、分かりました。』





履歴書も見ないで、私は採用された。

普通に、パパ活がどんなモノなのか聞いていただけで合格するなんて

ビックリだけど、凄く嬉しかったわ。

でも? 私が担当する【パパ】は、どんな人なのだろう?

不安と期待で胸がいっぱいだったが、私は次の日同じ時間にあの場所に

行く事にした。



『おはよう~よく来てくれたね!』

『あぁ、はい!』

『中に入って入って! もう君の担当する“パパさん”来て待ってるよ。』

『えぇ!?』

『凄く君の事、気に入ってくれてるみたいだからね、よろしく!』

『あぁ、はい。』

『どうも! 初めまして。』




初めて会った私が担当するパパは? 凄くステキな男性ひと

見えたわ。

紳士的で、ダンディーな男性ひとだった。

歳も40代後半ぐらいの男性ひとだと思う。



『はいはい、そこに座って。』

『はい!』

『こちらは、角山幸之助さんだよ、“今日から君のパパね!”』

『よろしくね、角山です。』

『あぁ! すみれです、よろしくお願いします。』

『こちらこそ!』

『じゃあー、一緒に着いて行って!』

『えぇ!? 今からですか?』

『そうそう、じゃあー行こうか!』

『はい!』






角山さんが、今日から“私のパパ”になる人だ。

初日は、彼に一緒に着いて行って私の想像を超える様な事も

たくさんしてくれた。



『週に1回、これから俺と会ってほしいんだ! 君の事は俺が大事に

するから、何にも気にしなくていいよ。先ずは、君が住むマンション

に行こうか!』

『えぇ!?』




初めて見る、タワーマンションの一番上の部屋を私がこれから住む部屋

として彼が借りてくれた。

お金も、私が自由に使えるようにカードを彼が渡してくれた。

そして、彼からこの日初めての高級ブランドのバックを貰う!



『君に最初のプレゼントだ! はい、これ!』

『えぇ!? こんなに高級なバックいいんですか?』

『勿論だよ!』




給料も彼が自然に決めてくれ、私の月の給料は100万円になった。

給料以外にもボーナスもあり、会社には内緒で年に2回くれると言う。



『じゃあ、これがこの部屋のカギね! また来週会いに来るよ!』

『はい!』







 *





・・・ここから夢のような生活が私を待っていた。

彼は私を、“プリンセスのように扱ってくれる”

迎えは、高級リムジンで来て! 少しだけこの部屋でお喋りして

彼は家に帰るだけ。

それ以外の時間は、私が自由に使っていい時間だった。

彼は私を束縛もしないし、お金も自由に使わせてくれた。

私は、この贅沢な暮らしに溺れていく。





ここから半年が経った頃。

彼にまた新しい女性ひとの影が見えた。

どうやら?私以外にも他に女性ひとがいるみたいだ。

私は彼にその事を問い詰めると? 彼が私の予想していなかった

事を言いはじめる。



『確かに、他に女の子が居るよ、その子が今は俺のNO.1だ!

君には最初に“高級ブランドのバック”をあげただろう! あの

バックにはGPSと盗聴器を仕込ませておいたんだ! 君はどうやら?

俺のお金で好き放題贅沢したじゃないか?』

『でも? 私はまだ半年ぐらいしか一緒に居ないでしょ!』

『男は若くて新しいモノを好むものなんだよ! 君はもう古い!』

『・・・そ、そんな、』

『これからは、週に1回、俺と体の関係を持つだけの女でいい!』

『・・・・・・』






【私が欲しいモノを望めば、“私のパパ”が何でも叶えてくれるわ!】

そう想っていたのに、いつの間にか? “私が彼を好きになっていた”

私はもう古いんだって! それでも、彼に私は愛されたい!

“そんな風に想う私は変ですか?”





最後までお読みいただきありがとうございます。

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