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17話


 真ん中にある円状の台。その周りを囲む観覧席。

 魔術学園所有の闘技場にアリスたちは来ていた。


「では第1回Sクラス最強決定戦開幕~!! イエーイ! ヒューヒュー」


 カレンははしゃぎながらそう宣言した。

 それを見るアルトとハルも大はしゃぎだ。


 Sクラスで起きた騒ぎからなぜか拳を交えるということとなり、そこへ油が注がれ、クラス内バトル改め、第1回Sクラス最強決定戦が行われることとなった。

 なぜかすごい乗り気なカレンはすぐに闘技場を借りて勝負の場をセッティングした。


「全員でのバトルロワイアルってのはこの前の入試のときにやって味気ないからトーナメントでやるよ。

 はいじゃあ、一列に並んでくじ引いて」

 カレンはそう言い、いつの間にか用意していたくじ引き箱を引かせようとした。


「あのーすみません」

「どうしたのグリムちゃん?」

「私ろくに魔術使えないんで棄権してもいいですか?」


 教室では本に頭を埋めていた少女――グリムはそう言った。


「そういえばそうだったね。うん、OKだよ

 あっ、みんなちゃんと魔術使えるんだから棄権はダメだよ」


 そして一人ずつくじを引いていく。


「2番か」


 アリスが引いたのは2番と書かれた紙だった。

 全員が引き終わるとそれぞれの対戦相手を確認していく。


 対戦順はこうなった。


1戦目 アリスvsマリ

2戦目 アルトvsスプリド

3戦目 ハルvsミリア

4戦目 1戦目の勝者vs2戦目の勝者

5戦目 4戦目の勝者vs3戦目の勝者



「…………」


 マリはまだ紙に文字を書き続けている。


「オー! 友をつくるぞ!」


 アルトは何か叫びながら気合を入れている。


「この馬鹿っ、拳は無くても友達出来るって何回も言ってるでしょ!」


 ミリアは気合を入れていたアルトを叩き、文句を言ってる。


「これも睡眠のため」


 スプリドはため息を吐きながら睡眠のために戦う準備をする。


「ヒヒッ、ヒヒッ、ヒヒヒヒヒ……」


 ハルはもはや隠す気もなく笑い声を上げている。


(この前の借りは返してやるぞハル)


 アリスはハルへのリベンジに燃えた。


「みんな準備万端って感じだね。じゃあ私が決めたルールを説明するね。

 まず魔術の使用はもちろんOK。ただし過剰火力はアウト、特にアリスは気をつけてね」

「分かってますよ」

「よろしい。

 え~と、あとは時間がかかりすぎると明日まで続いちゃうかもしれないから、逃げてばかりなのはアウト。まあ逃げたりするほど広くないから関係ないと思うけどね。

 負けの判定は舞台から落ちたり、戦闘不能になったら。

 ルールはこんな感じかな。追加したいルールがある子はいるかな?

 よしっ、じゃあ早速やっていこう! 1回戦はアリスvsマリ!」


 アリスとマリが舞台へ上がっていく。両者が舞台の両側へ立つ。

 マリは空を見ながらゆらゆらと揺れている。紙とペンは置いてきている。

 アリスはマリを油断なく見つめる。


「始め!」


 カレンの声で試合が始まった。


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