1章 8話 忘れえぬ記憶
「ゴォォgガガァァッァァァア!!」
「!?」
ドゴォォォォオッ!
「岩!?」
「なんでこんなものが落ちてきて… ヒャッ!」
オオォォォオオォ
「幽霊…?こ…れ…あのとき…見たのと…似て… ーーー!!」
「レン!気をしっかりもって…。」
「ナミちゃん…。うあああ~!」
レンは昔から人ならざるものが見えるのだそうだ。今日のこれも、そして…あの日も。
「相田さん!神楽さん!良かった…。」
「孤影さん!無事だったんですね…!」
「なんとかね。それよりも、こっちです!」
「え、あ はいっ!」
彼女の後を追い、ひたすら逃げ続ける。が…
「オオォぉぉォウ~ゥゥぅォン!」
「なにこれ…正気を失った人…?」
ザスッ
「槍イ!?次から次へとわけわかんないことを…」
『早く行って!憑りつかれる前に!』
「は、はい!」
どこからか声が聞こえた。恐らくは槍を投げた人だろう。
「こっちがダメなら…ここから!」
「え、ええええええ!?」
3階から飛び降りると…。だけど、生き抜く為にはそれしかなかった。
「レン、行くよ。」
「ん…んん zz」
眠ってしまっているレンを抱きしめる。こんな状況だもの。無理もない。
「っと。次は?」
「こっちです!で、すぐ右曲がりますよ!」
「わかりました!」
校内を全て知っているかのように走り抜ける孤影さんだが、それだけではなさそうな雰囲気を漂わせている。 そして、急に足を止める。
「…。」
そこには、生徒と思われしき男女が数名傷を負って倒れていた。
向かっていた道も瓦礫で閉ざされていた。飛び越えることは勿論不可能。その光景を見た瞬間、私たちは地べたに這い蹲っていた。