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1章 4章 監
「はぁ…っ はぁー…。」
現時刻8時17分。買い食い後直ぐにではあるが、住宅街を駆ける。その先にある小山道で走り尽きるよりかは遥かにマシだ。
このまままっすぐに進めばいいのだが、
「もう少しだッ!突っ切れ!全開だあ~ああァアあぁぁ ァ‶いてっ!?」
ぶつかる衝撃に痛みやフラつきはあまりないもの、目の前には 銀髪で半透明な美少女が立っていた。
「大丈夫ですか!?」
「… 平気。慣れてる…から。」
彼女は無表情で、視線を逸らし気味にそう答えた。そして、こう呟いた。
「それより、…遅れるよ?」
「…。 ハッ!」
目の前のことが原因か、完全に忘れていた…。
「栄聖… そっか。」
「あなたもですか?」
「そう…。けど…」
(私服、鞄なし。そうゆうことか)
「待ってましょうか?」
「いいよ…。長い寄り道…もあるし」
「…ごめんなさい。」
長い寄り道というのが気になるが、どうにかそれを押し殺す。
「私、相田愛菜美です!」
「入江 日向守。…ありがとう。 また会えるといいな。」
「はいっ!」
入江さんと別れ、再び走りだす。
「相田愛菜実…ようやく。」
「ん?羽根?」
「…やっぱり」