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1章 2話 worst starts 2
「行ってきます。お父さん、お母さん、拓。」
10年前、両親は不治の病にかかり、半年後他界した。一つ年下の弟の拓真はその1年後に起きた災害に巻き込まれ、この世を去った。
その後、親戚の神楽家に引き取られることになり、今から1年前に一人暮らしを始めた。
「あ。レンから電話とかないかな?」
スッ
「ない。しとこか」
プルルル…
『もしもし、ナミちゃん?』
「おう!レン。今どこだ?」
『「おう!」って…。 もう学校の目の前だけど…どうしたの?』
「いや… っと。ギリギリ間に合うかぐらいでさ。」
『はぁ。なんとなく察した。 連絡入れて校門近くで待ってる。』
「ありがとう♡ 心の友よ〜ー!」
『そういうのはいいk…』
プツッ
「あと42分…。間に合う!全力疾走だっ!」
「ナミちゃん… 気をつけてね。」