クラムの日記
俺にとってレティシアは気持ちの良いやつだ。
レティシアとの思い出は学生時代の3年間。
俺の人生の中でも濃い時間だったと思う。
休養日に俺は父上に呼び出された。カーチス侯爵家で夜会があるから参加しろと命じられた。父上が俺に社交を命じるのは珍しい。
父上に命じられるまま挨拶にまわり、適当にダンスを踊って時間を潰していた。見慣れた銀髪を見つけた。まさかレティシアが出席しているとは思わなかった。当時はルーン公爵家とは派閥が違った。
「カーチス侯爵、ご招待ありがとうございます。父が申しわけありません」
「とんでもありません。ルーン公爵令嬢に出席していただけるとは光栄です。」
「こちらこそ格式高いカーチス侯爵家の夜会に招待いただき光栄です。カーチス侯爵家の趣向をこらしたおもてなしはうちも見習わなくてはいけませんわ」
「ご謙遜を」
「いえ。お恥ずかしながら、うちはカーチス侯爵家の夜会には敵いませんわ。後学のため、いずれは弟共々またお招きいただけると嬉しいですわ」
「聡明と名高いエドワード様にもおこしいただけるとは光栄です。また招待状をお送りします」
「優秀なカーチス侯爵家の御子息様ほどではございませんわ。ありがとうございます。楽しみにお待ちしております。」
父上と見たことのない綺麗な笑みを浮かべたレティシアが話をしている。
数日前にニコルに叱られていたレティシアとは別人のようだ。
レティシアが父上に礼をして立ち去り、他の貴族に挨拶に回っている。
気難しいと言われる伯爵がレティシア相手に小さく笑っている。握手して礼をしてまた違う貴族に話しかけにいったな。レティシアが話しかけているのは、俺が話すのが苦手な貴族ばかりだった。
俺は呼び出されるようなことはしていないけど父上の視線を感じて父上の下に行った。
「クラム、ルーン公爵令嬢に挨拶しなさい。面識を作っておいて損のない相手だ」
そういえばレティシアと社交で会うのは初めてか。
父上に学園の話はしてない。
「父上、俺、レティシアとは昨日も話しましたが」
「なんだと!?」
父上が驚いた顔で俺を見ている。
「友人です。」
「そうか・・。ルーン公爵から娘をうちの夜会に招待してほしいと頼まれたからお前とは面識はないと思っていたよ。ルーン公爵令嬢に無礼は許されない。失礼がないように気をつけなさい」
父上の言葉にレティシアは無礼なことをされまくりの学園生活を送っていることを思い出す。父上に逆らうと説教が長いので静かに頷くことにした。
「わかりました」
***
登校するとレティシアは本を読んでいた。俺に気付くと夜会の顔とは全く違う笑みを浮かべて挨拶した。
「レティシア、昨日うちの夜会にいたか?」
レティシアが目を見張って静かに微笑んだ。
「クラム様、もしかして出席されてましたの?」
「ああ」
「ご挨拶をせずに申しわけありません」
ニコルとシオン嬢が登校してきたな。
「レティ、またやらかしたの?」
「カーチス侯爵家の夜会に参加したんですが、クラム様が参加されてるとは思わず、挨拶を忘れてしまいました。お母様に怒られてしまいます」
しょんぼりしているレティシアの頭に手を置いた。
「うちは気にしてないから大丈夫だ」
「レティシア嬢、まず主催で下位のクラムが挨拶に行かなかったことのほうが咎められるよ。」
レティシアがよわよわしく微笑んだ。
「ありがとうござます。次は気をつけます」
学園でのレティシアは低姿勢で、普段は全く公爵令嬢らしくない。マートン嬢のほうが高慢でよっぽど偉そうだ。
「次?」
レティシアの言葉にニコルが不思議そうな顔をした。
「はい。カーチス侯爵よりご招待いただければまた参加させていただきます」
「クラムに頼めば?」
「お気持ちだけで。必要な社交はお父様が招待状を手に入れてくださいますので。カーチス侯爵家の夜会は派閥に関係なくゲストが集まるので非常に評価されてます」
「ルーン公爵家とは感じが違う?」
「はい。うちは身内ばかりですから。」
確かにルーン公爵家から招待状をもらったことはない。
「レティ、今回の夜会は何点?」
「30点です。クラム様への挨拶を忘れた時点で大失点です」
「挨拶してたら?」
「60点。次回で挽回します」
俺はレティシアを見てたけど、特におかしい動きも失態もなかった。夜会でもレティシアの評判は良かった。母上もさすがルーン公爵令嬢と言っていた。ただ気合をいれているレティシアは本気で言っていることは伝わってくる。
「ニコル、俺にはレティシアの態度が60点の理由がわからない」
「レティシア嬢、満点はどんな時?」
「ルーン公爵令嬢としてふさわしい社交をこなせた時です」
全く意味がわからない。
先生が来たので、この話はここで終わりになった。
***
長期休暇で家に帰るとすぐに父上に呼び出された。
「クラム、ルーン公爵令嬢にうちのことをなにか話したか?」
父上に探られるように見られている。
「話してません。レティシアは家のことは全く話題にあげません。」
「さすがルーン公爵令嬢か・・・」
父上が茫然として、兄上が笑っている。
「いくつかうちの派閥を抜けて、ルーン公爵家の傘下に入った家がある。全てルーン令嬢が夜会で話しかけた家だ」
俺は渡されたリストを見て固まった。気難しい当主をを抱える家ばかりである。また家としての力はないが広大な領地を抱えている。ルーン公爵家の後見を得れば・・・。
「医療の研究をするための広大な土地が欲しかったようだ。」
「父上、さすがルーン公爵家ですね。クラム、ルーン嬢に近づいて動向を探れる?」
俺はシオン嬢とリオ様の顔が脳裏によぎった。
レティシアは聞いたら教えてくれるかもしれない。ただ二人はレティシアのためなら手段を選ばない。
「俺には無理です。」
「クラムには荷が重い。社交でも話術でも彼女には敵わない。ただ彼女が参加する夜会は注意が必要だな。」
「あの偏屈伯爵と交友を持てる家があるとは。レティシア嬢がパイプを作りエドワード様が交渉。ルーン公爵夫妻よりもある意味恐ろしい組み合わせだ。クラム、疑って悪かったな。もういい」
俺は礼をして部屋に戻った。俺が情報を流したと疑われていたのか。
レティシアは友人だけど、お互いの家の話はしないことにしようと決めた。
念願のターナー伯爵家で修行をさせてもらい、気付くと長期休暇は終わっていた。
***
生徒会の見回りをしているとレティシアが令嬢に声をかけられていた。いつもと違うのは令嬢のとなりにいる令息の存在だけだ。
「ルーン嬢、勝負です」
「申しわけありませんが、勝負とは?」
「彼と勝負してください。武術を選考されてますよね。決闘を申し込みますわ」
「決闘ですか?」
あきらかに相手は上級生。レティシアには荷が重い。まずレティシアは強くない。
「ルーン令嬢、ターナー伯爵に師事されていると聞きました。真剣での手合わせをお願いしたい。まさか真剣は使いこなせませんか?」
挑発している。これやばいやつ。たぶんレティシアは受ける。あいつは見た目に反して好戦的なやつだ。普段、訓練や授業で使うのは刃を潰した剣だ。絶対に怪我をするのはレティシアだ。
俺は慌ててレティシアの前に立った。
「すみません。彼女、腕を痛めてるんで代わりに俺が相手しますよ。俺もターナー伯爵にお世話になっているので、俺でよければ。俺で物足りないならリオ様かビアード様をご紹介しますよ」
「結構よ。失礼するわ」
令嬢達が去っていった。レティシアは俺を不思議をそうに見ている。
「お仕事お疲れ様です。クラム様、私は怪我をしてませんよ」
「そうか」
「決闘ってなんでしょうか?」
「さぁな。訓練相手を探していたんだな。なんか用事を思い出したんだろうな。」
「今日は開放日ではないので訓練できませんものね。またお暇な時に付き合ってくださいね。お仕事頑張ってください」
レティシアは決闘のことは気にすることなく俺に礼をして立ち去っていった。
俺は生徒会室に戻った。生徒会長のクロード殿下と侍従がいらした。殿下はレティシアがお気に入りである。二人の時は必ずレティシアの話を聞かれる。
「カーチス、ルーン嬢と一緒に訓練しているのか?」
「開放日に時々ですが」
「どんな様子?」
「強くはありませんがいつも一生懸命ですよ。負けると悔しそうに見たあと、立ち上がってまた訓練してます。」
「私が付き合ってあげるっていうと断られるんだよ」
「恐れ多いですよ。さすがのレティシアも恐縮してしまいます。」
「訓練の授業はどんな感じ?」
殿下はいつも穏やかな顔をしている。
「やはり男ばかりの訓練の授業はやりずらいようです。手合わせのときに俺かニコルが傍にいないと困った顔で俺達を探しにきます。」
「彼女が困った顔をするとは相当だ」
「恐れながら殿下、俺の婚約者の話を聞き出すのやめていただけませんか」
書類の山を抱えたリオ様がいつの間にかいた。リオ様は個人での仕事を率先して請け負っている。だから会議と提出以外で生徒会室には来ない。
「マール、期限がギリギリだな」
「力不足で申しわけありません」
「いい。生徒の様子を聞くのは生徒会長の仕事だろう?」
「でしたら、クラムの話を聞けばいいんです。わざわざレティシアの話を聞かなくても」
「マールも一緒にどうだ?仕事を終えて手が空いてるんだろう?」
「せっかく時間ができたので婚約者に会いにいこうと思いますので、俺はこれで失礼させていただきます」
リオ様は礼をして部屋を出て行った。殿下の誘いを断るのはさすがだよな。殿下は穏やかな笑みで見送っている。殿下は満足したのか仕事を再開した。リオ様が何を言っても殿下がレティシアの話を聞きたがることはかわらなかった。
クロード殿下との関係をレティシアに聞いたことがある。
「幼い頃にお茶会をお断りしたことを根に持ってるんだと思います。そのために一時的に興味をもたれただけですわ。他には関係はありませんわ」
「お前、殿下の誘いを断った?」
「社交デビュー前ですから。礼儀作法も身についていなかったので、お受けするわけにはいかなかったんです」
レティシアは遠くを見ながら話していた。できれば私の話など殿下のお耳にいれないでくださいませと最後に言い残していた。
ただレティシアはクロード殿下のことを相談するといつも助言をくれた。クロード殿下の真意を知りたいなら目と口元に注意。笑顔も種類があると言っていた。意識してみると、なんとなくレティシアの言うことがわかった。あいつの観察力は半端ないとこの時思った。ニコルに話したら気づくのが遅いと笑われたけど。
***
3年の時、一時的にレティシアの様子がおかしくなった。
訓練室の開放日に俺はロダと手合わせをした後、弓の訓練をしているレティシアのところに戻るとぼんやりとして座っていた。
レティシアの横には弓が置いてある。的の中心に矢があたっていない。レティシアは弓が得意だから中心から外すのは見たことがなかった。
「レティシア、不調か?」
「駄目ですね。全然当たらないんです。こんなのはじめてで」
ロダが困った顔をしているレティシアの肩を叩いた。
「悩みがあるなら聞くよ」
「ロダ様は優しいですね。どうすれば的に当たりますか?」
「集中できない理由はないの?」
「駄目ですね。今日は終わりにします。お付き合いいただきありがとうございました。私は先に失礼します」
いつもは時間のギリギリまで訓練するレティシアが弓を持って立ち去った。レティシアなら的の中心に当たるまでずっと射ると思っていた。
「ロダ、剣の片付け任せる」
ロダに剣を渡してレティシアを追いかけると俺に気付いたのか足を止めて振り返った。レティシアは人の気配に敏いから当然か。
「クラム様、どうされました?」
レティシアに的確な武術のアドバイスをできる相手は一人しか思いつかなかった。
「様子がおかしいから心配で。リオ様のところに行くか?忙しくてもリオ様なら時間を作ってくれるだろう?」
レティシアが首を横に振った。
「ご心配ありがとうございます。リオには用がありません。」
「きっとリオ様なら不調の助言を」
「必要ありません。私は用事を思い出したので、先に失礼します」
レティシアが急ぎ足で去っていった。
翌日ニコルにレティシアのことを相談しているとシオン嬢に睨みつけられた。
「レティはリオ様と喧嘩中です。レティの前でリオ様の話題を出したり仲裁しようとしたら被験者にしますよ。しっかり頭にいれておいてください」
「あの二人が喧嘩?」
「クラム、黙って。クラムには難しい問題だから、余計なことはしないで」
ニコル達の様子を見て本能が逆らうなとつげたので頷いた。
しばらくするとレティシアとリオ様の喧嘩が終わった。いつものように自然に笑うようになったレティシアに安心した。やっぱり女の子は笑顔が一番だと思う。
この頃、特にレティシアはよく絡まれていた時期だった。
よく絡む令嬢の筆頭はルメラ嬢だった。
「ルーン様」
俺達が移動していると、1年生に呼ばれる声にレティシアが足を止めた。レティシアは先にどうぞと視線を送るが待っていることにした。リオ様にレティシアをできれば一人にさせないでほしいと頼まれていた。
「ごきげんよう。どうされました?」
「ルーン様、私達にお任せくださいませんか。私たちの派閥筆頭のルーン様への態度は許せません」
勝ち気な一年生が眉を潜めてレティシアに訴えている。またルメラ嬢が騒いでるのか…。
「心配無用ですわ。ここは平等の学園です。きっと彼女も学んで態度を改めるでしょう。」
「ですが」
レティシアが冷たい空気を醸し出した。ニコルとシオン嬢が小さく笑った。
「どんな方にも淑女として生家に恥じない行動を望みます。私を案じて動いてくださるのなら、貴族として相応しい立ち振る舞いを。軽率な行動でうちの派閥を揺るがすことは望みません。品位ある行動をお願いします」
「私達に動かれるなと」
レティシアが柔らかい笑みを浮かべると冷たい空気が霧散した。
「はい。先輩としては、私のことは気にせずに学園生活を楽しんでください。困ったことがあれば相談してくださいませ。私はこれで」
戸惑う後輩に微笑みかけレティシアは立ち去った。
「久々のルーン公爵令嬢ね」
「伝わらないんですもの。放っておいてくださいって言葉が」
レティシアが楽しそうなシオン嬢を見てため息をついていた。
学園にはルメラ嬢の無礼な態度が許せない令嬢が多い。ただその令嬢達が愚かな行動をしないように嗜めている筆頭はレティシアだ。ルメラ嬢はレティシアにいじめられていると騒いでいるが、庇われてる事実に全く気付く様子はない。今の学園で一番、家の力が強い令嬢はレティシアである。ルーン公爵令嬢の命令は絶対。レティシアの意図をくみ取った上位貴族はルメラ嬢へ手を出すことはしない。たとえ自分の尊敬するルーン令嬢に危害を加えられても。
ルメラ嬢がレティシアの殺害未遂で退学になった。レティシアはルメラ嬢のことを罵る令嬢達に淑女として相応しい行動をお願いしますと静かに嗜めていた。私を心配してくださるなら品位を思い出してくださいと。レティシアの様子にまたファンが増えたとニコルが笑っていた。
***
3年の最後の3か月にレティシアが姿を消した。俺はレティシアが姿を消すことが学園をかえるとは思っていなかった。今まで敵対派閥の攻撃はレティシアに集中していた。ただレティシアは静かに躱していた。あいつが本気で相手にしたのはハンナの件しか俺は知らない。令嬢達の言い争い、下位貴族や平民への差別が頻繁に起っていた。陛下の生誕祭の後は寮は開放されても授業は休講だった。だから学園内は荒れていた。上位貴族は家に帰っていた。碌な情報もなく憶測が飛び交っていた。生誕祭から2週間して上位貴族は帰寮し、授業が再開された。その頃は学園の雰囲気は緊張感にあふれていた。俺は生徒の取り締まりのため学園内を走り回っていた。頼りになるリオ様は生徒会を引退して、自ら関与することはなかった。今までは平民への貴族による差別を厳しく取り締まっていたのはリオ様だった。レティシアがいなくなってからリオ様は狂ったように訓練をしていた。レティシアは行方不明だから、リオ様は卒業したら探しにいくつもりだと思った。だから集中できるように、生徒会のことを相談するのはやめた。
ニコルは下級生や平民を保護していたのはレティシアで、リオ様は頼まれて事後を引き受けていただけだと教えてくれた。
俺もレティシアは心配だし、リオ様にはやく見つけてもらいたいから、邪魔しないようにしようと心に決めた。
両殿下は学園にほとんど帰ってこない日が続いていた。
***
気づくと4年生になっていた。俺達の中にレティシアがいないことは違和感だった。
エドワード様が入学式で祝辞を読んだ。
「私は敬愛する姉の意思を継ぎます。先輩方に御教授頂きながら、フラン王国民としてふさわしい学園生活が送れるように尽力することをここに誓います」
ニコルとシオン嬢が笑っていた。とんでもない決意表明である。一歩間違えればイジメにあうような内容だ。
レティシアが争いと差別が嫌いなことは有名である。エドワード様の意図を読めなかったものは制裁を受けた。エドワード様は貴族の中でも顔が広かった。特にレティシアのファンは率先してエドワード様に力を貸した。
おかでげ学園は平穏を取り戻した。そしてエドワード様は二年生で生徒会長に任命された。レオ様が任命される予定だったがエドワード様が相応しいと譲った。
***
レティシアの帰国の話はニコルが教えてくれた。その頃にはうちもルーン公爵家の派閥に入っていた。
会いに行くと、懐かしい笑顔を向けてきた。15歳で国外逃亡した人間には見えなかった。俺にとっての学園生活はニコルとレティシアとシオン嬢と4人で過ごすのが日常だった。時々人数が増えたけど。
母親になってもレティシアは変わらない。でもやわらかく幸せそうな笑みが増えたかな。
なぜか偶然会ったエイベル様にレティシアの機嫌を取ってもしいと頼まれたので会いに行くとレティシアの様子はかわらなかった。
「レティシア、エイベル様と喧嘩したのか?」
「エイベルはリオにお任せしました」
怒っている様子はない。もともとレティシアは根に持たない性格だ。謝罪して非を認めれば許してくれる。むしろ謝罪しなくても許すか・・。
「クラム、なにか頼まれたか?」
「レティシアの機嫌をとってほしいと」
リオ様がさわやかに笑った。
「クラム!!修行して、修行!!ロベルト先生に勝ちたいの!!」
「ティア、先に挨拶」
リアムとティアが帰ってきた。リアムとティアは修行が好きだ。
この二人は中々強いからおもしろい。
レティシアはリオ様に任せれば大丈夫だ。よくわからないが二人の面倒をみて、二人っきりにしてやるか。
リーファはシエルが見るだろうし。
「リオ様、ごゆっくり」
俺の意図に気付いたリオ様の口角があがった。俺はリアムとティアと庭に行くことにした。
後日なぜかエイベル様に助かったと感謝された。




