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追憶令嬢の徒然日記 小話  作者: 夕鈴


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レティシア18歳 認定試験

冒険者視点


俺は砂の国ギルドに来た。そろそろ懐も寂しくなってきたので仕事をしようと思う。

今までBランクだったけどそろそろAランクになりたいので手続きのついでに認定試験を受けよう。

首都よりも地方ギルドは冒険者の質が悪いから認定試験を受けやすいだろう。



受付に声をかける。

共通のギルド証を見せる。


「わかりました。Bランクですね」

「できれば認定試験を受けたいんだが」

「希望ランクはAランクですか?」

「ああ」

「確認するのでお待ちください」


受付嬢が去っていった。もしかしてAランクの冒険者がいないのか?

受付嬢がギルド長を連れてきたな。ギルド長が相手だろうか。

該当ランクがいなければギルド長が認定試験をすることになっている。



「ギルド長、アルクは明後日まで帰りませんしどうします?」

「レラ姉様、私、やりますよ!!」


銀髪の少女が手を挙げて近づきてきた。


「怪我するから、やめときな」


よく見ると華奢な美少女だ。美少女の笑みに見惚れた。

成長したら美女になるんだろうな。成長途中のあどけなさもいいよな。周りにこんなタイプはいなかったな。女の冒険者は珍しいな。こんな華奢な女冒険者は初めて会ったな。


「私も鍛えてますので、負けません」


「待って、シア、俺がやるよ。」


「リオはSランクでしょ?アルクもいないから適任者は私だけです」

「駄目だ。俺に譲って。シアへの視線が気にくわない」

「なんで怒ってるんですか?」

「男には負けられないことがあるんだよ」

「リオが負けるわけないので必要ありませんわ」


この美少女の隣にいる綺麗な男がSランク?


「リオやるか?」

「シアを出すなら俺が出ます。それともギルド長がやりますか?」

「叩きのめすつもりか?」

「どの程度をお望みですか?俺としては治癒魔法をかけたくないので、気絶ですませようかと」


地方ギルドに治癒魔法の使い手がいる?

治癒魔法の使い手は珍しい。首都のギルドさえいないこともある。このさびれたギルドって実は冒険者そうがあついのか?


「Aランクの認定試験だが」

「魔法は使いません。剣だけでやりますよ。」

「リオ、危ないから私が出ますよ。私なら同じAランクだから魔法も使って平気です」


この美少女もAランク?


「シアが怪我したら治せないから駄目。俺が怪我してもシアがいれば大丈夫だろ?」

「リオが怪我するのは嫌なので私が出ます」

「わかった。絶対に怪我しないから応援してて。怪我しそうになったら魔法を使うよ。俺に魔法を使わせるならSランク認定でるだろうしな。俺が強いの知ってるだろう?」

「約束ですよ。怪我したら家出します」


若い青年が苦笑してるな。

絵になりそうな光景だよな。

この二人って付き合ってんの?

こんな美少女がフリーなわけないよな。


「わかったよ。シアに家出されたら困るから絶対に怪我しないよ。ギルド長どうします?」

「リオは剣だけだ。もし魔法を使わないと対処できないならSランクの認定試験に変更する。」

「シア、行ってくるから待ってて」

「私も行きます」


広い部屋に案内される。


「今はAランクの人間が出払っていてな。Sランクの冒険者に条件つきで試合をさせる。状況次第ではSランクを認めよう。」

「彼女、俺のなんで近づかないでください。関わることもないので俺達のことは覚えなくていいんで」


初対面は表面上は親睦を深めるのに、拒否されてるな。高ランクの冒険者なんて変わり者ばかりか。

こんなに若くて高ランク、ギルドのレベルが低いのかこいつか凄いのか。冒険者なんてやらなそうな外見だよな。この顔なら女共が放っておかないだろうな。


「審判は俺が務める。」


ギルド長の合図と共に短剣を投げるがかわされる。

切りかかってこないんだな。剣で切りかかるが受け流される。

隙がないな。こいつ強いな。

勝てる気がしない。

これは戦ったらいけないやつだ。


「降参する」


剣をおさめる。


「まだAランクは早いな。その腕ならルリにも敵わないな」


「俺はもういいですか?」

「ああ。」


青年が美少女のもとに歩いてていった。


「シア、楽勝だろ?」

「相変わらず瞬殺ですね。私のリオが一番ですわ!!」


抱きつく美少女の髪を撫でて、満足げに笑ってるな。

容姿端麗で強いってずるいよな。


「自分の身が大事ならあの二人には近づくなよ。ルリに手を出すやつはリオに叩きのめされるからな。このギルドの常識だ。」

「あんな冒険者がこのギルドにいるんですね」

「あの二人は別格だ。まぁ明後日にはもう一人、Aランクが帰ってくるから挑戦してもいいがもう少し修行が必要だろう。まだBランクのままだな。」

「ありがとうございました」

「何かあれば、レラに聞け」


受付嬢のレラに説明されながら案内を受ける。

翌日もう一人のAランクの冒険者に出会った。


「認定試験、リオが相手じゃ無理だ。ルリとリオは強いから。俺は瞬殺される自信がある」


彼は普通の冒険者みたいだ。


「このギルドは一般的な地方ギルドだよ。あの二人以外は普通だ。ただあの二人が別格。ルリなんて、クマ見ると反射で倒すしリオはルリに近づく奴は瞬殺だ。二人はうちの優秀な魔道士だけど取扱いに要注意。」


冒険者には安全管理が第一だ。

あの二人には近づかないことにしよう。美少女でも反射でクマを倒すなんて恐ろしすぎる。

ある程度稼いだら旅立とう。

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