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追憶令嬢の徒然日記 小話  作者: 夕鈴


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レティシア2年生 マルクとレティシア

リオ視点


「リオ、助けてください!!」


聞きなれた声と背中に衝撃が。

シア!?

気配なかったけど。

気配殺して近づく癖なんとかならないか。

いつか怪我をさせそうで怖いんだけど。


「シア?」


「お願いだから助けてください、まずい、いや、でも」


「どうした?」


「私とセリアどっちを選びますか?」


「え?」


「ごめんなさい。選べませんよね。やっぱりだめ」


意味がわからないけど悩むまでもないんだけど。


「俺はシアを選ぶよ」


「本当ですか?」

「ああ。嘘ついたことないだろ?」


俺はシアには嘘をつかない。話してないことはあるけど。シアの中での俺の優先順位どうなってんだろうな。

俺にはお前より優先する相手なんていないよ。


「移動するか?」

「引き渡さないでくれますか?」


引き渡す?意味がわからないがシアが望むなら叶えるよ。


「ああ。」


俺の部屋に連れて行く。シアが急いでと騒ぐので、急ぎ足で向かう。

俺の部屋の前にはセリアが。


「駄目でした。やっぱり」


シアの瞳から光が消えた。


「レティ、諦めていらっしゃい」


シアが俺の腰に縋り付く。


「セリア、シアは俺と一緒にいたいって」

「私も譲れませんわ」


これはセリアが実験に夢中なときの目だ。

仕方ないか。魔石を作る。


「俺に譲ってくれるならこれやるよ。どうする?」


研究用の魔石欲しいんだろ。


「わかりました。それで手をうちますわ。レティ、またね」


セリアに魔石を投げると去っていった。

シアを部屋に入れて鍵をしめる。

やっと、シアの手が俺から離れた。


「ありがとうございます」

「何があった?」


シアが悩んでるな。


「リオは私の味方ですか?引き渡しませんか?」


「シアが危ないことしない限りは味方かな」

「お金に目がくらんだりはしませんか?」

「ありえない。」


「実は…」


シアはアイアン商会のマルクに付きまとわれている。

アルクはシアを使ってお金を儲けたいそうだ。

シアの姿絵を商品化したいらしい。

あと、手作りや私物のオークションなど、シアを商品として売り出したいらしい。

確かに売れると思うよ。ただ公爵家として醜聞になるよ。

セリアはマルク側についたらしい。

セリアはマルクの商人の伝手が欲しいらしい。

セリアの作品の被験者もマルクが融通してくれるらしい。


自分の味方だと思ったセリアの裏切りがこたえたのか。

クッション抱えて拗ねてるな。

自覚ないんだろうけどな。

マルクは絵がうまい。ただ俺としてもシアの絵が売られるのは避けたい。

シアの絵を見ているやつらを想像するだけで潰したくなる。


「シア、安心しろ。俺がなんとかするよ」

「よろしいんでしょうか?」


素直じゃない。頼ってくれていいのに。


「困ってるんだろ?」

「はい」

「じゃあ、素直に俺に甘えればいい」

「リオ兄様ありがとうございます。マルクに懐柔されたりしませんか?」


疑ってるな。シアの頭を撫でる。信用ないよな。いつか素直に頼ってくれるようになんのかな。


「しないよ」


重症だな。

仕方ないか。


シエルに目配せして、お茶と蜂蜜ケーキを用意させる。

シアは目を輝かせて食べだした。

本当に単純だよな。可愛いけど危なっかしくて目が離せない。

頼むから蜂蜜につられて攫われたりしないでくれな。

ご満悦なシアを眺めながら思考を巡らす。


セリアにはガラクタ魔石の販売経路を一つ紹介すればおさまるだろう。

セリアとの取引材料はまだいくつかあるけど。

マルクには話をするか。

レティシアを売り物にしたらルーン公爵家が許さないこと。

あと、あんまりレティシアにつきまとうなと釘をさしておくか。

マルク、苦手みたいだしな。心酔した目で見られるのが駄目らしい。

確かに自分のことを天使、女神って騒がれたら気持ちが悪いよな。

シアは自分の容姿が平凡だと思い込んでるから特にな。

自分の容姿を褒められるのは社交辞令だと思ってるからな。


シアはセリアのことで放心してるけど、きっと明日にはセリアはうまいことするだろう。

セリアはシアの操縦うまいから。

セリアとシアって正反対なのによくうまくいってるよな。

まぁ、俺はシアがセリアを見限ってもいいけどさ。

シアには俺だけいればいいしな。

あんまりセリアがシアを利用しようとするなら対策ねるけどな。


予想通り翌日にはシアとセリアは仲直りしていた。

なぁ、シアお前単純すぎない?

友達に売られかけたの覚えてる?

俺の婚約者は危なっかしすぎて目が離せない。




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