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追憶令嬢の徒然日記 小話  作者: 夕鈴


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23/92

レティシア2年生 レティシアの好み

サイラス視点


俺はノアとロンの訓練をみている。

ロンは魔法が使えないけど、勘がいい。教えたこともすぐ吸収していく。まだノアの方が全然腕は上だけど。

さすがに、俺やリオには全く敵わないけど。

正直、リオがロンがルーン嬢を守りたいって言葉を一刀両断しなかったのには驚いた。いつもなら必要ないって切り捨てそうなのに。ルーン嬢の後輩だから多少は遠慮したのか、したんだろうな。俺とリオに勝つなんて、中々酷な条件だけどな。

そろそろ休憩させるか。ノアの集中が切れてきたな。


「二人とも休憩しようか。」


二人が剣を止めたな。


「兄上、まだできます」

「集中が乱れてる。無我夢中にやるだけが訓練じゃないって言ってるだろ」


二人が座って休みだしたな。

ノアは無我夢中で訓練をしたがるから適度に休憩させないといけない。



「わかりました。兄上、確認したいんですが、ルーン嬢はリオ様の婚約者なんですよね?」

「そうだけど、それが?」

「ルーン嬢、兄上に嫁ぎたいって。これは大丈夫なんですか?」

「は?」

「ノア、言葉が足りない。こないだアナ達とレティシア様が話してたんです。どんな方と結婚したら幸せかって。レティシア様は強くて優しくて頼りになるサイラス様がいいって。サイラス様なら誠実だから幸せになれそうって」


ロンには貴族とのかかわり方も教えている。

ロンは空気が読むのがうまい。ノアに見習ってほしいくらいだ。


「リオのことはなんか言ってた?」

「マール様とは親が決めた政略結婚。選択肢のなかったマール様が可哀想って。昔、レティシア様はマール様とアナの兄に振られたって笑ってました。」

「振られた?」


リオがルーン嬢を?


「昔の話だって。リオ様はその後は怒って口を聞いてくれないし、アナの兄には即答で振られて、私は殿方に人気がありませんって笑ってましたよ。兄上、ルーン嬢に告白されたらどうします?」

「ありえない。恐ろしくて想像したくない」

「もし兄上とルーン公爵家の縁談が整えばターナー伯爵家と縁戚ですよ」


恐ろしいことをいう弟を睨みつける。


「ノア、それリオには絶対に言うなよ。うちが潰されるよ。公爵家には近づくな。ルーン嬢がどう思おうとリオと結婚することは変わらない。」

「わかりました。」

「ルーン嬢、ほかに何か言ってた?」

「兄上の次はラウルで次がカーチス様がいいみたいです。裏表のない所が安心できるって。他の方々は好みじゃないみたいですよ。スワン様は頼りになるけど時々笑顔が怖いそうです。ビアード様はポンコツで両殿下は危険だから関わるなとアナ達に言ってましたね。俺は令嬢への態度が悪いので問題外。ロンはこれからの成長に期待だそうです。兄上?」


令嬢達の好む恋の話題かな?

リオの名前は出てこないんだ…。

リオが聞いたら荒れるかな。やっぱりルーン嬢はリオとの婚約は政略結婚って思ってるのか。リオの願いだとは全く思わないのか…。リオがこの婚約に喜んでることさえ気づいてない。

リオが不憫すぎる。


ルーン嬢の好み…。

リオはルーン嬢にだけは優しいし、誠実?は怪しいか。強いし、頼りにもなるけど、何が駄目なんだろう。

そっか。ラウルとカーチスの名前が上がるなら、裏表のない腹黒じゃない奴ってことか。

待って、ルーン嬢の好みってまんまビアード!?

ルーン嬢はポンコツって騒いでるけどビアードのこと頼りにしてるよな。彼女の相談先って、シオン嬢かリオかビアードだよな?

ビアードはリオと違って腹黒ではないし誠実だ。リオみたいに口うるさくない。

リオがビアードを警戒してる理由がわかったよ。



「とりあえずその話は広めないように言っといて。絶対に面倒だから」

「わかりました。」


ノアは不思議そうだけど、ロンは素直に頷いた。

ロンは素直だけど、心配だよな。

その辺は少しずつ教えていけばいいか。



登校してきたリオに声をかける。


「なぁ、リオ、ルーン嬢のこと振ったことある?」

「は?記憶にないけど」


やっぱりルーン嬢の勘違いかな。


「だよな。お前がルーン嬢に告白されて怒って口をきかないとかありえないよな」

「待て、あれか!?シアは冗談って言ってたけど。」

「リオは政略結婚で相手が選べなくて可哀想だってさ」

「あの時は、自覚してなくて。そこからなの?だから全く伝わらないのか?シア、思い込み激しいし、嘘だろ」


リオが頭を抱えているな。

からかう分には楽しいんだけど匙加減を間違えると大変なんだよな…。



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