レティシア2年生 見守る会
第66話当たりのお話です。
ステラ視点
私はブレア様に誘われてレティシア様とマール様を見守る会に入会しました。
この会は派閥が関係なく無礼講だそうです。
ただ自分の家のために見守る会に入会し利用するのは禁忌。
幹部の方々から報復があるそうです。会長のリール侯爵夫人を筆頭に上位貴族のご婦人方も入会されているのでお家の取りつぶしも簡単らしいです。
私の家は派閥が違うので警戒されましたが、ブレア様とサリア様が口添えしてくれました。
エイミー様の「レティシア様のお友達よ」という一言であっさり入会を許されました。
この見守る会は
・お二人の様子を見守ること
・お二人の情報を皆で共有すること
・お二人の邪魔をさせないこと
が活動内容みたいです。
定期的なお茶会でお二人の情報を共有しリール侯爵夫人に報告するみたいです。
リール侯爵夫人が厳選して冊子にしてくれるそうです。
会員にくださるなんて恐ろしい経済力です。
私は純愛物語の1巻をいただきました。
レティシア様とマール様の婚約までのお話です。
レティシア様は幼いころから嫌がらせにあっていたのに負けなかったなんてすごいです。
その強さを見習いたいです。
この冊子は会員限定なので他者に見せることは禁止。大事に保管する気がある人だけ受け取っていいそうです。会員は審査が厳しいので、入会を許された時点で冊子はいただけるそうです。
もちろんレティシア様のお話は大事にしますわ。
「ステラ、あなたはなにか知りませんか?」
エイミー様に声をかけられました。エイミー様はレティシア様に紹介されてからよくしてくださいます。
「レティシア様に聞いたお話でも構いませんか?」
「ええ。もちろん」
私はレティシア様が大好きなのでレティシア様のお話をよく聞かせていただきます。
レティシア様はおもしろくないですよといいながらも思い出話をしてくれます。
こないだのお話はターナー伯爵家の話にマール様が出てきた気がします。
「レティシア様は武術の訓練のために数年間ターナー伯爵家で過ごされたそうです。
マール様も一緒に過ごされましたが、学園に入学のため先に発つことになったそうです。
その時に魔石のペンダントを贈られ、レティシア様は今もそれを大事に身につけているそうです」
「まぁ!!」
「ステラ、ずるい。私、聞いてませんわ」
「ルーン様のターナー伯爵家時代の話は初めてね。他にもなにかあって?」
ターナー伯爵家のお話にはあんまりマール様は出てこない。ビアード様との思い出が多いんですよね。
あとは、
「レティシア様はピアノよりもバイオリンを好まれます。ターナー伯爵家のお部屋にピアノがあったので、練習しているとマール様はお隣でバイオリンで合奏されるそうです。マール様は演奏中の遊びが激しく、ついていくために必死だったと笑っていました。楽器はマール様が一枚上手でいつも振り回されると苦笑されてましたわ」
「レティシアはピアノも弾けるんですの!?」
「嗜み程度で人にお聞かせするほどではないと。」
「マール様とレティシアの合奏も素敵よね。私の茶会に頼もうか迷いますわ」
「エイミー様?」
ご令嬢が挙手されました。
「私、婚約者からこんなお話を聞きましたわ」
「何かしら?」
エイミー様のご友人が進行変わりましたね。
エイミー様は興奮されて遠くをみてますわ。
ご令嬢の興奮はブレア様のおかげで慣れましたわ。
興奮したときはそっと見守るのが一番です。
「ルーン様が武術大会の団体戦に出られたのはご存知ですか?」
しっかり見てましたわ。レティシア様、素敵でしたわ。
あんなに弓がお上手なんて。
剣をふるうお姿も素敵でしたわ。
「大会前の控え室にマール様がルーン様に会いに来たそうですわ。お守り代わりにリボンをプレゼントしたみたいです。ルーン様の髪を解いてマール様自らリボンで結ったみたいですわ。そのあとお二人は見つめ合って名残惜し気に別れていったそうですの。」
「ねぇ、サリア、リボンって」
「レティシア様が時々つけてますよね。青いリボンに銀の刺繍の入ったものを」
令嬢達の悲鳴が響き渡りました。
「レティシア様とマール様の瞳の色ですわね。きっとマール様はご自分の象徴の銀のリボンをお渡ししたかったんでしょうが、レティシア様の銀髪には映えないので青いリボンに自分の色を混ぜたんですね。時々レティシア様のリボンをみて微笑まれますものね。マール様の独占欲ですわ」
ブレア様の暴走が始まりましたわ。令嬢達も盛り上がっています。
私、レティシア様が大好きでレティシア様のことが知れることは嬉しいです。
ただマール様とのことはそこまで興味がありませんが、ここにいてもいいのでしょうか・・。
でもここにいることで何かお役にたてるかもしてません。
レティシア様のお話の詰まった冊子は嬉しいです。
令嬢らしく本音は隠しておかないといけませんね。
レティシア様の笑顔が曇らないようにお力になれるように頑張ろうと思います。




