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追憶令嬢の徒然日記 小話  作者: 夕鈴


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レティシア1年生 レティシアとエイベルおまけ

セリア視点


レティがまた囲まれている。

令嬢のいざこざは令嬢で片付ける。わかってはいるけど、リオ様なにやってんのよ。

リオ様がレティを慕う殿方を追い払ってるのは知ってる。でも自分のファンくらいちゃんと躾けてほしいわ。

リオ様ファンの令嬢達。さすがに教室まで押しかけてくるのはやりすぎじゃない?

レティもまさか教室をでてすぐの廊下で捕まるのは予想外だったみたい。

きょとんとして驚いて慌てて令嬢の仮面を被ったわね。


「ルーン様、いいかげんになさいませ」


レティがよわよわしく微笑んでる。


「ごきげんよう。なにか至らないことがありまして」

「マール様のことです。あなたのせいでマール様は・・。婚約者だからって許せることではありませんわ」

「この婚約は両公爵が決めたものですから」

「マール様のお優しさを独り占めしようなどとは。ルーン公爵令嬢だからって許されませんわ」


レティの目が死んでいる。これはビアード様の所に八つ当たりに行くかな。

レティは自分の理解を超えることは放棄して逃避することが多いけど稀に怒ることがある。

八つ当たりの矛先はなぜかビアード様なのよね。

最近、リオ様のファンが絡んでくるのが面倒でリオ様の所には行かないみたい。

リオ様が会いにくるけど。レティはリオ様に迷惑だから来ないでとは言わない。

思いつかないのほうが正しいかな。あの子本能のままに行動するところがあるからリオ様の所に自分から全く行ってないことに気付いてないかもしれない。

リオ様はレティが自分のところじゃなくてビアード様のところに行ってるって知ったら嫉妬しそうね。

リオ様はレティに嫌われるのを怖れて、レティの行動調べてないもの。気づかれないように監視すればいいのに。

でもレティの行動の監視したらリオ様の身が持たないか。

過保護なリオ様は心配しすぎて倒れそうね。


最近、レティの殿方のファンが増えるのは、リオ様のファンに囲まれるところをみた方々の庇護欲がそそられているからみたい。

確かに今のレティは守ってあげたくなるわよね。

リオ様がこの悪循環に気づいてないのは失笑ものよね。

リオ様のファンのせいでレティはビアード様と仲を深めて、レティのファンが増えてリオ様の時間もなくなる。

リオ様に思うところはあったけど、別に嫌がらせしなくてもいいかな。自業自得に苦しんでるものね。


「リオは身内に甘いんですの。そんなに羨ましいならマール公爵家と縁戚になれば同じ立場になれますわよ」


「権力で婚約者におさまったのに」


レティ、最近のイライラで令嬢の仮面が剥がれたわ。

そろそろフォローしようかな。視線の先にいる人物を見つけると、いらなそうね。


「私の立場が納得いかないのでしたら両公爵に話をつけてください。私はルーン公爵の命であればリオとの婚約破棄を受け入れますわ」


レティが優雅に微笑んだわ。レティ、弱気な令嬢の仮面が剥がれてるわよ。

レティの婚約破棄発言にリオ様は固ってる。リオ様を振り回すのはレティだけ。

リオ様がレティの手を取って、口づけたわ。レティは固まった。

令嬢達は顔を赤らめてる。


「俺はお前に焦がれて婚約を願ったから絶対に受け入れないけど。俺のレティシアは何を怒ってるの?」


レティ、その胡散臭い目やめなさい。素になってるわ。気持ちはわかるけど。

そういえばリオ様がレティに訓練とか言ってたわね。他の男に口説かせる気なんてないくせに。

よく考えると、浅はかよね。リオ様がレティを口説いても訓練として解釈されるって気づいてるのかしら?


「マール様」


令嬢達には目を向けずにレティを見つめてるわね。あえて無視してるんでしょうね。


「リオ、お父様の命とはいえもう疲れましたわ」


「俺の部屋で休む?」


レティが首を横に振って拒否する。

連日だもんね。彼女たちの言い分が理解できずにイライラしてたものね。

リオ様がレティの頬に手をあてて見つめるけど、レティは目を伏せて首を横に振る。

レティの拒絶にリオ様が動揺してるわね。


「疲れたので失礼させてください。大変申しわけありませんが彼女たちはリオに用があるみたいです。私のことは気にせずお相手してさしあげてください。失礼しますわ」


レティが礼をして去っていった。リオ様に見事に押し付けたわね。レティは自分でどうにかできないことはリオ様に任せるものね。

リオ様の顔つきが変わった。レティ用から社交用に切り替えたみたいね。初めて令嬢達に目をむける。


「用件とは?」

「私たちはルーン様に」

「彼女の願いですので。俺達にどんなご用件が」


社交用の笑みを浮かべるリオ様に令嬢達が頬を染める。見惚れて話せる余裕はないみたい。

レティも無事に解放されたし帰ろうかな。

やだ、目が合ったわ。


「セリア、状況を教えて」

「リオ様の手落ちです。貴方のファンが連日レティに押しかけてたんです。リオ様が冷たいのはレティの所為だって。色々言われてましたがレティは婚約に不服以外は言い分を理解できなかったみたいです。私のレティはリオ様のせいで可哀想に」

「セリアじゃなくて俺のだから」

「レティはもう疲れたみたいですよ」

「ちゃんと機嫌とるよ。」

「物で釣るのもどうかと思いますが。興味ないんで失礼しても?」

「ああ」


教室を後にする。今日はもう帰りましょう。

もしかしたらレティが来るかもしれない。

たぶんあの子はビアード様の所かしらね。

レティはビアード様には礼儀がいらないって。敵って公言してるわりに懐いてるわよね。


翌日からレティがリオ様のファンに絡まれることはなくなった。

放課後、リオ様はレティの訓練を見てあげるってレティを連れて行った。

さすがリオ様。相変わらずレティの機嫌をとるのはうまいわ。


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