間違い
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人という生き物は嘘をつく事が出来る。そして、それが嘘なのか本当なのか分かるのは、かなり親しい人か自分位なものだ。
ましてや、初めて話すのだから趣味や好きな物を偽る事は絶対と言って良いほどバレない。まぁ俺みたいな超能力者じゃなければの場合だが。
そこで俺は考えた。
(桐島先生の心を読めば良いんじゃね?)
と考えてしまった。
これが「間違い」だったんだと気付くのはもう少し後の話。
とにかく心を読めば自分の好きな物や趣味が分かる。と安易に思い、目を合わせた。
少し遅目で歩く事と一番後ろという事もあり、結構簡単に出来『目が合っているのおおおおお。はぁ嬉しいな。こんなおばさんを見てくれるなんて、しかも格好いいのよおおおおおお。タイプのど真ん中165キロでストライクなのにいいいいいい。そんな熱い視線で見ないでええええええ。』てしまった。
何、なんなの桐島先生もヤバい奴?いやそんな訳無い無い。焦んな焦んな、俺。だってまだ名前出てないから俺じゃ『本当に格好いいのおおおおおお。貝塚澪君は。』......なくはなかったな。
......あれ?これ詰んでね?
俺は好きな物とか趣味が聞きたかった。あっちは俺が格好いいしか言ってない。
はい。終わった。
......普通にやるか。まずは笑顔を作って
「初めまして。『初めまして!』貝塚澪と言います。『知ってます!』中学校ではソフトテニス部に所属していました。『知ってます!』なので部活動はソフトテニス部に入りたいなと思っています。『私ソフトテニス出来るかな?』また自分の特技は『料理が出来る家庭的な特技が良いな。』意外と良く言われますが料理を作ることです。『やったああああああ。私、料理が苦手だから良かった。』これから一年間よろしくお願いします」『末永くよろしくお願いいたします!!』
最後に頭を下げて俺の自己紹介は終わった。
意外にも桐島先生以外の女子にも受けが良く、男子からは嫉妬?混じりの目で見られていて、拍手も緒方の次に多かったと感じた。
違うそうじゃない。そうじゃない。
(奏とは、また違ったヤバさを感じるんだけど。何故だろう。全く怖くない。そうか、これが先生パワーか。うん。良いな。少しはおかしな所もあったけど、多少は目を瞑ろう。はぁー可愛いな。)
「はい。次は木崎君。お願いします」『はぁー。もっともっと知りたかったな澪君の......』
(凄いな。全く表情が変わっていないように見える。天才か。あ、そうか五メートルて短いな。俺の席からは、ぎりぎり聞こえないのか。(´・c_・`))
「はーい。行ってくるぜ。澪。」」
その後は特に何も無く、あっという間に過ぎさっていった。
「はーい。これで全員終わりました。私の思ってた以上に皆が上手でビックリしましたよ。えーと、まだ時間が余っているので他のクラスに迷惑の掛からないようにして下さい。あ、立ち歩いても大丈夫ですよー」
「「「はーい」」」
(さて、どうするか?まず半径五メートルに入り、五秒目を合わせて聞こえるようにしないとな。)
そう決めた瞬間、クラスの女子に、
「ねぇ、貝塚君。私とレイン交換しない?」
レインとはある物をもじった物であり、連絡や無料電話などの多くの機能がついたアプリである。
「ああ、良いよ。交換しようか」
「良いの!やったー」
(そんな喜ぶ事か?)
「貝塚君、私達とも交換してよー」
「良いぞー」
「ありがとー」
「貝塚、俺とも交換しようぜー」
「OKー。ていうか澪で良いのに」
「ああ、そうか。よろしくな澪。俺は.....だよろしくな」
「ああ、よろしくな」
「なぁ貝塚ー俺とも交換してくれよー」
「分かった分かった」
てな感じで時間が過ぎていって、粗方終わった所で、勝也が悲しいオーラ全開で、
「なぁ澪ー。交換しよう⤵️」
「なんで、そんなに悲しみ全開なんだ?」
「連絡先貰え無かったんだよ」
「誰の・・・あぁー分かった。ドンマイ」
「だからさ、交換しよう」
「?訳が分からないが良いぞ」
「ありがとう。澪」
「まぁ。そんな日もあるさ!」
「慰めになってない!」
こんな会話をしていると、いきなり先生が手を叩いて、
「はーい。ちょっと静かにして自分の席に座って下さいね。今日はこれで終わりです。皆さんお疲れ様でした。では、さようなら。怪我や事故に会わないようにね」
「「「さようなら。」」」
(くそー。先生の趣味が聞きたかったが聞けなかったな。明日こそは!)
「なぁ、これからゲーセン行かね?澪?」
「悪いな。用事がある」
「なーんだ」
「じゃあな。勝也」
「おう。また月曜な。」
(さて、一人で帰るか。)
「澪ー。一緒に帰ろー。」
「ああ、そうするか。」
(忘れてた。無理なんだ。)
(はぁー。どうなるんだ?俺の高校生活。)
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