自己紹介
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長かった入学式が終わり皆がそれぞれのクラスに戻って行った。
自分のクラスに戻ると入学式が終わったからなのか、めちゃめちゃ騒がしく、
(どうしたんだ?)
と俺が思っていると、
「緒方さんって、まじで可愛いくね?」
「ああ。俺も思った。このクラスにいた時と表情がちょっと違ったけど何て言うか美人だな」
「それな」
「クラスにいる時の目付きも何か来るもんがあるよな」
「それな」
(そういう事か。確かに、あれは話題に挙がるよな。まるで絵画から出てきたような美人に加えて、あの表情の柔らかさがあったんだ。完璧だな。だが中身をしっかり知る事が必要だな。というかクラスに一人いる「それな。」要員がちゃんといるな。)
この会話を聞いたからなのか、勝也が悔しそうに、
「くそー。やっぱり噂になってんな俺の香織」
「お前のじゃねえし、その安易な発言も控えた方が良いと思うぞ」
「なんで?」
「いや何でも無い」
「?まあ良い。香織を絶対に惚れさせてやるぞー!」
「がんばれ」
(絶対に無理だな。だってほら。)
「誰が誰を惚れさすって?」
「ひぃぃぃぃぃぃぃー」
そこにはさっきの入学式とは、まるで違い、クラスでの目付きになっていた緒方がいた。やめて差し上げろ。勝也が全力ビビっている。
「緒方。さっきの入学式のスピーチ凄かったな。というか言ってくれよ。入学式のスピーチするって」
「あら、言えなんて言ったかしら?貝塚君?」
「さっきまでそんな口調じゃなかっただろうが」
「あら、最初からこんな感じじゃなかったかしら?」
「はぁぁぁー。まぁ良いや。上手だったぞスピーチと表情の作り」
「あら、もともとの表情で挑みましたのに」
「そうか」
(面倒臭いな。キャラ作りというものは。)
「か完璧でした。流石ですね。かお......緒方さん!」
(おぉ出たぞ。鬼の睨み。)
「そう。あなたにそれを言われても何も嬉しくないんだけど。・・・だけれども」
(キャラ付けって本当に面倒臭いもんだな。というか他クラスの生徒も見に来ているじゃねえか。凄いな新入生代表。)
こんな会話をしていると、桐島先生が、
「はーい。他のクラスの人は出ていってねー。もうすぐホームルームがありますので速く自分のクラスに戻って下さいねー」
「「「はーい」」」
(嘘だろ。こんなにいるの?)
どれだけいたのか数えようとしたらチャイムが鳴った。
クラスの皆が席に着いた事を確認して、桐島先生が、
「はーい。では今からホームルームを始めます。まずは自己紹介からします。まず、さっき自己紹介しましたが、一年間このクラスの担任をする事になりました桐島美咲です。このクラスが私の初めて担任をする事になるので迷惑をかける事も多々あると思いますが一年間よろしくお願いしますね」
そう言った瞬間盛大な拍手の嵐が起きた。
(本当に可愛いくて綺麗だな。)
俺がそんな事を思っていると、
「次は出席番号一番の赤井君から出席番号順に自己紹介をしていきましょう。それでは、赤井君前に来て下さい」
「はい。」
そんな感じで始まった。俺は出席番号は若いので何を言うのか考えていると、
「緒方さん。お願いします」
「はい」
(もう緒方か。早いな。あんまり固まっていないんだけど、どうするっかなー。)
「私の名前は緒方香織と申します。皆さん一緒に一年間楽しく過ごしましょう」
と入学式の時のような表情の柔らかさで言った。
もちろん、パチパチ。という大きな拍手が起きた。まぁ何を言ってもなるんじゃね、と思ってもいるが、そんな事より俺のスピーチの内容はと言うと、
(ヤバ。あんまり良い案が浮かばないな。)
と思っていると、
「次、貝塚君」
「はい」
出来る限りの良い声で答えた。当たり前だろ。初めて話したんだから。
あ、そうかそうか、これで良いんだ。
(待っていて下さいね。桐島先生。というかやっぱりめちゃめちゃ可愛いくて綺麗だなー。)
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