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転生仲間と使命を果たせ  作者: 与二郎
24/33

24話

オンモは、宿屋の子供と対峙している。

「ここに、谷間の剣士がおると聞いてる。我に会わせてくれぬか?」

「谷間のねーちゃんに、谷間って言っちゃ、いけないんだぞう」

「今、2回も谷間と言ったではないか。我は、会って確かめたいだけだ。谷間は、関係ない」


「会って谷間を確かめる?お前、鼻血止まらなくなるぞ」

「何を言っておるのだ。谷間の剣士に、会いたいだけだ。取り次いで欲しい。」

「そんなに、谷間が好きなのか。谷間のねーちゃんが、好きなのかー」


「くっ、話しが通じない。わかった。100歩譲ろう。我は、谷間が大好きで、大好きで、堪らん。だから、会いたい。分かったか?」

「な、なんだとぅ。谷間のねーちゃんは、渡さないぞー。あの谷間は、おいらが守るっ」


ゴンと我の頭と話の通じない宿屋の子供の頭に、げんこつが落ちてきた。

二人して、いててててーとしゃがみこんでると

「朝から、何回谷間を連呼してるのですか」

と、髪の長い女が、ほっぺを膨らませ、腕組みをして、立っていた。


組んだ腕から、たわわな物が、こぼれ落ちそうになっており、ダンコの目が釘付けだ。


「おや、あなたは、神主か何かですか?、その衣装は、見覚えがありますね」

「違う、我は、おんもだ」

「鬼に、黒い渦に引き込まれて、目が覚めたら、この世ににいた。」

「そうですか。」


「変な声から、谷間の剣士を探し、頼れと言われ、谷が見つからなかった。疲れて式神の上で寝込んでたら、この街の近くに来てたのだ」

「なるほど。私が谷間の剣士かは、解りませんが、なんらかの縁が、貴方とはあるように思えます。使命を果たせとその声は、言いましたか?」

「うん、我にも言ったぞ」


「私の部屋で、少し話をしましょうか」

マコトはオンモと手を繋いで、自分の部屋のある二階へ移動した。

「ダンコや店番の子供に、聞かせたくない話しもありますので。」


部屋に入ると「我が結界を作れば、音も漏れぬと思うが」とオンモが言うと、マコトは少し驚き、「お願いします」と頼んだ。

「わかった。おん きゅうきゅうにょりつ ぞく そわか」

キンと音が聞こえた。


「これで、結界内の音が、我らの他には、聞こえなくなったと思う。」

「すごいのですね。オンモは」


マコトの言葉に、オンモは、えへへーと反応する。

マコトは、こちらに来る前に、たくさんの人を斬り殺したこと、労咳で死んだこと、願いとして愛刀の所持、健康な体、不殺人の束縛を願ったことをオンモに語って聞かせた。


「私が、怖くないですか?沢山の人を殺めた鬼に近い存在ですよ」

「我は鬼が見える力のせいで、羅刹という鬼神に、渦に引き込まれた。マコトからは鬼の禍々しさは感じない。怖くはない」


「そうですか。オンモは強いのですね」

「我は、変な声から、おんもの力の目覚めと強い式神を呼べる力をもらった」

オンモは、式神を召還する


「白き虎ですか。これは、強そうですね」

「この、大きな猫は、とらと言うのか」

「そうです。白虎かも、知れません」

「びゃっこ?」

「四方を守る聖獣の一匹です」

オンモは白虎の喉を撫でた。

ゴロゴロと気持ち良さそうな、音を出し、オンモに、白虎が貼り付いて、甘える。


「私達は、どうやら同じ使命を果たさねばならないようですね」

「私も、オンモを頼りにさせてもらいます」

マコトは、オンモを抱きしめた。オンモは、マコトの柔らかさと甘い香りに、安らぎを強く感じ、涙を流した。


「男が、こんなことで、涙を見せるものではありませんよ」

とマコトはさらに強くオンモを抱きしめる。

オンモは、自分の頭ほどある巨大な胸に圧迫され、息が出来ず、ジタバタした。


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